5.パソコン通信の利用
ネットワークの立場からみたとき、パソコン通信は最も身近でなじみやすいものである
。現在、わが国における商用のパソコン通信の大きなものとしては、PC-VAN、ニフティサ
ーブ、アスキーネットなどがあり、これらは、それぞれアメリカのパソコン通信システム
であるGEnie(ジェニー)、CompuServe(コンピュサーブ)、DELPHI(デルファイ)に接
続され、また、インターネットにもつながっている42) 。
具体的にニフティサーブの場合を例にとると、情報はトップメニューで表示されるもの
から選択するようになっている。その内容は、大きく分けると、
・電子メール、電子掲示板
・ニュース・スポーツ・天気予報、および新聞・雑誌記事情報
・企業・経済・ビジネス(株式情報などを読む)
・趣味・旅行・ゲーム(占いとか旅行案内、コンサート情報などを得る)
・海外のデータベースにアクセスする(INFOCUE:海外の新聞記事などを読む)
・CompuServeへの接続
・他のパソコンネットへの接続
などとなっている。他のパソコンネットワークでもほぼ同様のサービスが提供されてい
る。これらのサービスのうちニュースやイベント情報はテレビや新聞や各種情報誌で提供
されるものと本質的に同じであるが、出版物を手元に置かずに自分の欲しいものをパソコ
ンに表示されるメニューの操作によって得られるのが利点であろう43) 。
パソコン通信を利用する場合は、基本料金、アクセス・ポイントまでの電話料金(従量
制) 、それぞれの情報を検索する場合のデータベース別の検索料金(例えば株価情報の場
合は一時間当たり1,000円程度)などの経費がかかる。これらの料金は情報を得るための
代価として当然であろうが、オンラインでいかに価値ある情報を得られるか、それに対し
て人々がどれだけの対価を支払うかというところに、パソコン通信システムの将来的な発
展がかかっていると言える。