その年の夏には幽王は自らの后しんこうを退かせてほうじを皇后の座に上げました。
そしてしんこうとの間にもうけた皇太子ぎきゅうをも幽閉してしまったのです。后は泣き叫びました。
「お許し下さいませ。仮にわたくしのみ身を落されるはいかとも依存のありしはずはなくとも、 このぎきゅうはわたくしに生まれましたよりもまずあなた様の嫡子、 皇太子より廃されますは今一度、思い留まりのほどを」
「くどい!皇太子はかえるにほうじの生んだ子をもってする。 そちとぎきゅうは北の館に蟄居を命ず!」
こうしてほうじは幽王の后の座につき皇后となりました。
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