その夜、しゅうけんは幽王の寝所を辞してその足で密かに王宮の北の館に幽閉されて いる幽王のかつての后しんこうと、その子かつての皇太子ぎきゅうのもとに 上がりました。
しゅうけんはいよいよぎきゅうが国王として立つ時が来たと申し上げました。
そして彼の裁断で、しんこうとぎきゅうはいったん国をぬけ出て東国の諸侯を 引き連れ再び都にのぼり来たり、幽王と天主を替わり国の再興を期するほかない。
国を愛するしゅうけんはそう考えていました。
その夜のうちに3人は北の館を抜け出そうと城の裏手へまわりました。
しかしその時です。
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