例題：Web掲示板

以下のプログラムはごく簡単なWeb掲示板のCGIプログラムです。

#!/usr/bin/env ruby
require 'cgi'
cgi = CGI.new

# http ヘッダの出力
print "Content-Type: text/html\n\n"
# ボードファイル名
BFILE="board.dat"

mes = cgi["message"][0]
name = cgi["name"][0]
if (mes) then mes = CGI.escapeHTML(mes) end
if (name) then name = CGI.escapeHTML(name) end

# メッセージがあったら、名前と共にボードファイルに追加
if (mes != "" && mes != nil) then
  fp = open(BFILE, "a")
  fp.print <<END
<dt>#{name} さんの書き込み:</dt>
<dd>#{mes}</dd>
END
  fp.close
end

# HTMLファイルの先頭部分を出力
print "<html><body>\n"
print "<h1>Very simple Web board</h1><hr><dl>\n"

# 間にボードファイルの内容を挟み込む
begin
  fp = open(BFILE, "r")
  while s = fp.gets do
    print s
  end
  fp.close
rescue
end

# HTMLファイルの末尾部分(フォーム含む)を出力
print <<END
</dl>
<hr>
<form method=post action=board.cgi>
お名前:
  <input type=text size=20 name="name" value="#{name}"><br>
書き込み欄: <br>
<textarea name=message rows=5 cols=60>
</textarea><br>
<input type=submit value="書き込み">
<input type=reset value="クリア">
</form>
</body>
</html>
END

備考：

open(BFILE, "a") の "a" はappendの頭文字で、追加モードでファイルを開いています。追加モードは、書き込みをする場合に、既にあるファイルの内容の末尾に追加をします。これに対して、書き込み("w")モードはファイルの内容をクリアしてから書き込みます。
このCGIプログラムもアクセスカウンタと同様に、アクセスが集中すると問題が生じます。具体的には、書き込みの操作を行ったにも関わらず自分の書き込みが追加されていない、他の人の書き込みと混ざって追加されてしまうといったことが起こりうります。このような問題を解消するには、ファイルのロックを行って排他制御をする必要があります。
掲示板に書きこまれるデータは、CGI.escapeHTML メソッドを使って、< を < に、 > を > に変換してタグを無効にしています。これは、クロスサイトスクリプティング脆弱性と呼ばれるセキュリティ上の問題を未然に防ぐためです。

課題

上記board.cgiを使ってWeb掲示板のCGIを実行せよ。
上記board.cgiを元に、さらに書き込んだ時の時間が書かれるようにプログラムを修正せよ。例えば、「～さんは書きました:」の行が「～さんは書きました(2002/6/24 09:24:30)」といった風になるようにせよ。

東京情報大学情報システム学科
大見嘉弘(Yoshihiro OHMI)