確かに周は諸国からの反乱に脅えておりました。
そこで周では王宮のある離山の頂に城塞を築き山のはたにそってのろしをあげる 峰台を次々に構築していました。
もし、敵の王宮に迫り来るときはこの峰台に次々火を入れこれを合図にふもとに 散らばる屯所からは兵を集いて敵を迎えうつ。
その用意は着々と進んでいました。
しかし、この建設をつかさどった腹黒い大臣かくせきほはまた違ったことを企んでおりました。
(幽王さまはほうじの后の心を慰めるに腐心しておられるという もしわしが ほうじ どのに笑みを浮かばすことができたなら幽王必ずや私に心を許し、 やがての出世も意のままだろうて)
かくせきほは峰台に火のともる様を思い浮かべてこころ密かに企むところがあったのです。
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