この頃になって本当の敵の襲来であることが民にも兵にも 分かったのですがそれは余りにも遅すぎました。
幽王のもとへ数人の兵士がやってきました。
「もはやいかともなしがたく、ここはまず幽王様は北門にほうじどのは西の門に、 それぞれ城より逃れる為の輿を配しましたのでこなたのほうへどうか」。
その時幽王と兵士たちはほうじの笑い声を耳にしました。
玉でも転がすような朗々とした少し甲高い笑い声でした。
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