この夜幽王はほうじの笑うのを心待ちに期待し火をいれたのですが、 ほうじはついに笑顔を見せることはありませんでした。
「ほうじ なぜ笑ってくれぬ。
去年ののろしにはそちはまぶゆいばかりの笑みを見せてくれたではないか、のうほうじよぉ」
ほうじはけれども表情を動かさず澄んだ声で歌を歌います。
"山桑の弓、木草のえびら、周のお国は亡ぶでしょう"
そこへ入ってきたのはしゅうけんです。
「どうした、しゅうけん」
「王様。今宵こそは申し上げます そこに身を横たえている女?$それは人間ではありません」
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