吉岡 栄一
イギリス文学の1ジャンルを占める植民地主義文学は、大英帝国の海外進出と領土拡張政策によってもたらされたものだ。ポーランドからイギリスへ政治亡命したジョウゼフ・コンラッドは、船乗りとして大英帝国の領土や外地を見てまわった経験を作品に著した。インド帝国警察官として5年ほどビルマ(現在のミャンマー)に駐在したジョージ・オウエルは、イギリスの植民地支配の実態を観察し、それを作品に反映させた。『A Centenary tribute from Japan』(彩流社)という研究書のなかで、私はコンラッドとオーウェルの関係について論じている。ほかに代表作として、『亡命者 ジョウゼフ・コンラッドの世界』(南雲堂フェニックス)、そして編集責任を務めた『マーク・トウェイン翻訳コレクション全20巻』(彩流社)がある。コレクションのなかの3作品を翻訳した。私はまた日本文学にも関心があり、すでに『青野聰論』(彩流社)と『文芸時評 − 現状と本当は恐いその歴史』(彩流社)を出版している。
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