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ファイルシステムII

ファイルシステムとは

ファイルシステムIで触れたように、 大量のファイルを扱うために、ディレクトリを作って整理することが コンピュータを使う上での基本である。 実は、この大量のファイルやディレクトリは、ファイルシステムと呼ばれる 仕組みで実現されている。

Windowsの場合は、1つのファイルシステムは1つのドライブに相当する。 つまり、通常フロッピーディスクであるa:ドライブは1つのファイルシステムであり、 1つめのHDD(ハードディスクドライブ)であるc:ドライブも1つのファイルシステムである。 他にCD-ROMやフラッシュメモリなどもファイルシステムとして取り扱われている。

ファイルシステムの種類

ファイルシステムには、多くの種類があるが、ここではPCを使う上で現在主流のもののみ取り上げる。

FAT16

Windowsの前身である、MS-DOSの頃から使用されてきたファイルシステム。 Windows95まででは主流だった。現在でもフロッピーディスクや フラッシュメモリのファイルシステムとして使われている。 最大でも2GBの領域しか扱えなかったために、 HDD上のファイルシステムとしては廃れていった。

FAT32

FAT16を改良したファイルシステム。Windows 98,Windows Me では標準の ファイルシステムであった。最大2TB(=2048GB)までの領域が扱える。 ただし、1つのファイルの大きさは最大4GBまでである。

NTFS

Windows NTで使うために設計されたファイルシステム。 Windows NT, Windows 2000, Windows XP で標準として使われている。 複数のユーザが使うことを前提にしており、アカウントごとの アクセス制御が可能になっている。FAT32と同様に2TBまでの領域が扱え、 1つのファイルの大きさも最大2TBまで可能である。

ext3

Linuxで現在主流のファイルシステム。 基本的にWindowsからそのまま使えるようにはなっていない。 所有ユーザ、グループ、アクセス制御などのUNIXの機能が備わっている。 ext3は最大1TBまでの領域が扱える。1つのファイルの大きさも最大1TBである。

パーティション

ファイルシステムを使う多くのメディアでは、 1つのメディアに1つのファイルシステムが作られている。 例えば、1枚のCD-ROMは1つのファイルシステムを持つのが普通である。

パーティションは何個ある?
現在主流のWindowsマシンで用いられているIDE接続のHDDの場合、 原則として4つのパーティションがある。 また、拡張パーティションを用いれば、 パーティションの中にさらにパーティションを作ることができるため、 理論上は無限個のパーティションを作成することが可能である。 しかし、実際にはOSの制限により、個数の上限が決まっている。 例えば、Linuxの場合は16個までである。

しかし、HDD(ハードディスクドライブ)は、 1個のドライブにいくつものファイルシステムを持たせることができる。 HDDでは、パーティションという単位で、 HDD全体をいくつかに分割している。

このパーティションをうまく作ると、例えば1つのHDDに 複数のOSをインストールして使うことができる。例えば、先頭のパーティションに Windows、次のパーティションにLinuxをインストールする。 HDDの先頭には、MBR(Master Boot Record)という領域があり、 通常はそこにブートセレクタと呼ぶソフトウェアを入れておく。 ブートセレクタを入れておけば、PCの電源を入れた後に、起動するOSを 選択できるようになる。

Partition
補足: 一般的にLinuxのファイルシステム(ext3,Linux swap等)をWindowsで利用することはできない。 また、LinuxからNTFSを利用する機能は実験段階であり、まだ実用的とは言いがたい。 しかし、FAT16やFAT32はWindowsからもLinuxからも利用できるので、両方からアクセスしたいファイルは、FAT16やFAT32に置くと便利である。

他にパーティションを細かく分ける利点に、障害時の影響を少なくできることがある。 例えば、HDDに1つのパーティションだけ作成した場合には、 障害が起きてファイルシステムが破損すると、 ハードディスク全体のデータが利用不能になる。 しかし、いくつかに分割しておくと、ファイルシステムの1つが破損しても、 他のパーティションに作ったファイルシステムの内容は無傷である。

Linux OS へのログイン

詳細省略

ファイルシステムのマウント

Windowsの場合は、HDD上にFAT32,NTFSなどでファイルシステムを作成していれば、 例えば c: ドライブ, d: ドライブといったように自動的にドライブとして利用できる。 しかし、Linuxの場合には、マウントという操作をして初めて利用できるようになる。

LinuxなどのUNIXでは、特定のディレクトリから下を何らかのファイルシステムに 置き換えるという操作をする。これをマウントという。例えば、/mnt/ という ディレクトリがあり、そこにファイルシステムをマウントしたとする。 ファイルシステムの中のルートディレクトリには、 home/ というディレクトリがあったとすると、そのディレクトリは /mnt/home/ としてアクセスできるようになる訳である。

Mount

Linux で起動時にマウントするファイルシステムについては、 /etc/fstab というファイルに書かれている。いつも利用するファイルシステムについては、/etc/fstab に書いておくのが通例である。

なお、Windowsでもネットワークを利用するようになり、 Linuxのマウントに似たような機能が設けられた。 「ネットワークドライブの割り当て」では、ネットワーク上の ファイルシステムを特定のドライブとして扱えるようにする。 例えば、情報教育システムのホームディレクトリをz: ドライブとしているのは、 このネットワークドライブの割り当てを行っているためである。


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