ここがポイント!
コンピュータを作動させるための基本的なソフトウェアをOSと呼ぶOSは,機種やコンピュータのサイズによって異なる.現在,PCではWindows系のOSが,またWSではUNIX系のOSが主流として用いられている.
OS Operating System:基本ソフトウエア
どのような機械であっても,それを操作するための仕組みが必要となる.たとえば,自動車であればハンドルやアクセルやブレーキが必要であるし,オーディオ装置であれば電源スイッチやボリュームが必要である.コンピュータにおいては,そのような操作するための仕組みのほとんどはソフトウェアで実現されている.そのソフトウェアのことを,OSと呼ぶ.OSがあるおかげで,私たちが直接にハードウェアをいじる必要がなくなると同時に,コンピュータにさほど詳しくなくてもそれを操作することが可能となる.例えるならば,OSは,ハードウェアとユーザとの間に置かれているクッションのようなものだといえる.
図1 0Sの模式図
プラットホーム:アプリケーションソフトウェアを動作させるための「台座」となるOS
はとんどのアプリケーションソフトウェアは,このOSの上で動作する.台となる場所という意味で,OSのことをプラットホーム(plat-form)と呼ぶ場合もある.コンピュータのメーカーごとに仕様が異なるハードウェアの差をOSが吸収するという役割も担っていて,A社のPCであってもB社のPCであっても,その上に同じ種類のOSを動かすことができるならば,アプリケーションソフトウェアは同じように使える.
OSは,いくつものルーチンからなっているが,これらのルーチンはハードウェア側を向いているものと人間側を向いているものの2種類に大きく分類することができる.OSの基幹部分ともいえるハードウェアとのインタフェースなどを主につかさどるルーチンをまとめてカーネルと呼び,人間とコンピュータとのインタフェースを主につかさどるルーチン群をシ
図2 0Sの階層構造
インタフェース:もともとは機械工学の用語で,歯車と歯車の「かみ合わせ」のことを指す用語.転じて,異種の2つのものが接する場合の適合度などを指す.カーネルシェルシェルと呼ぶ.OSはレストランに例えることもできる.レストランにはフロア(客が食事をする場所)とキッチンがあるが,OSでいえばフロアはシェルであり,キッチンはカーネルである.ユーザに対してさまざまなサービスを提供するのはシェルであるが,それらのサービスを実際にCPUやメモリや周辺機器類を使って作りだすのはカーネルの役割である.
図3 0Sのレストランモデル
シェルに分類されるルーチンは,処理プログラム,サービスプログラム,コマンドインタプリタ,ユーティリティプログラムなどであり,これらは,ファイル管理やユーザからのコマンドの変換を主につかさどる.カーネルに分類されるルーチンは制御プログラムであり,これらはさらに,ファイル管理プログラム,記憶管理プログラム,タスク管理プログラム,通信管理プログラムなどに分類される.制御プログラムの呼び方は各OSによって異なる.たとえば,UNIXなどのOSにおいては,これらの制御プログラムはシステムコールと呼ばれ,MacintoshなどのOSでは単にシステムと呼ばれる.ちなみに,コントロールプログラムなどと呼ぶ場合もある.これらの制御プログラムは,例えるならばキッチンで働く「料理人」である.ちなみに,それを管理統括する「料理長」は,スーパバイザ,監視プログラム,マスタコントロールプログラムなどと呼ばれる.
OSはコンピュータを操作するための仕組みのことであるから,広い意味ではワープロソフトやネットワークツールなどのアプリケーションソフトウェアまでをも含めた部分がOSなのだが(広義のOS),PCなどではカーネルとシェルにあたる部分のみをOSと呼ぶ場合が多い(狭義のOS).
図4 0Sの論理構造の概念図
OSには多くの種類がある.PCにおいては,Windows系のOSが主流となりつつあるが,MacOSやPC-UNIXなども普及している.ワークステーションにおいては,UNIX系のOSが主流となっている.
表1 0Sの種類
Windows95/98は,Microsoft社が開発したDOS/V PC用のOSである.現在PC用のOSとしては最も普及している.DOS/VはIBMが開発したPCの仕様であり,この仕様に準拠しているPCであればWindows系のOSが動作する.したがって,IBM以外のメーカーも多数DOS/V機を生産しており,その多くの上でWindows系OSが動作している.日本でも,NEC,富士通,東芝,などに代表される多数のメーカーがDOS/V機を生産している.Windows系のOSは,主にビジネスの分野などで多く用いられている.
MacOSは,Apple社のコンピュータMacintoshの専用OSとして開発されたものであるが,最近では少数だがApple社以外のメーカーも,MacOSを動作可能なPCを生産するようになった.現在ほとんどのOSで実現されているGUI環境を初期から備えていた.音楽関係やCG,DTP関連の分野では,MacOSが使われている場合が多い.
TRONは通産省TRONプロジェクトなどの推進母体によって計画が進行されている国産のOSであり,優れたGUI環境と開発思想に裏づけられた先進的OSである.しかし,現在一般にはほとんど普及していない.
UNIXは,ワークステーション用のOSとしてAT&T社が開発したものであり,現在でも多くのワークステーション上でUNIX系のOSが動作している.一口にUNIX系といってもかなりの数の「方言」があり,動作環境も使用方法もさまざまである.SGI(SiliconGraphics社)のマシン上でも,UNIXの方言が動作している.
WindowsNTは,Windows系のワークステーション用OSである.ネットワーク管理を行うネットワークサーバ用のOSとしてはWindows NTServerを挙げることもできる.
そのほかに,最近かなり普及してきたものとして,数々のPC-UNIXがある.FreeBSD,Linuxなどに代表されるPC-UNIXは,従来ワークステーション上でしか動作しなかったUNIXをPC上で動作させるというものである.MacOSやWindowsなどに比べるとユーザインタフェースの部分が大幅に削られており,初心者にとって扱いやすいとはいえないが,コンピュータの性能を引き出すという意味においては優れている.練習問題
次の文章の□を埋める適当な語句を解答群より選べ.
OSに含まれるルーチンのうち,ハードウェアとのインタフェースを主につかさどる部分を[a.]と呼び,人間とのインタフェースを主につかさどる部分を[b.]と呼ぶ[a.]は「核」という意味のとおりOSの中核部分を形成し,[b.]は「殻」という意味で,ユーザから見たOSの「見た目」や「使い勝手」を決定する.この[a.],[b.]といういい方は本来,ワークステーション上で主流として用いられていたOSである[c.]における用語である.PC上のOSとしては,Windows98などのWindows系のOSのほかにも[d.],FreeBSDなどの各種[e.]などがある.
〈解答群〉
ア.UNIX
イ.MAGI
ウ.PC-UNIX
エ.PC-MAGI
オ.MacOS
カ.MVS
キ.シェル
ク.エッソ
ケ.カーネル
コ.サンダース
ここがポイント!
アプリケーションソフトウェアなどに後から組み込んで,新しい機能を付加する役割を担うツールをプラグインと呼ぶ.インターネットブラウザなどでは,画像や音声の再生に多くのプラグインが用いられる.
フラグインPlug In
ムービーデータMovie Data
:デジタル信号として扱われる動画像のデータ
インターネットブラウザリソース
:コンピュータを用いて何らかの処理を行う際に必要となる.ハードウェア,ソフトウエア,ヒューマンウエア(ユーザやプログラマなど)の総称
プラクイン
インターネットなどで通信を行う場合,送られたきたデジタル信号を人間が見ることのできる形式へと変換する役割のほとんどはインターネットブラウザが担っている.しかし,インターネットブラウザの機能はその種類によって制限があり,どのような形式のディジタル信号でも処理できるわけではない.また,ユーザの利用形態によってはムービーデータやMIDIデータの再生を望まないことがあるにもかかわらず,すべてのデータ形式に対応可能なようにブラウザを多機能化しておくことは,アプリケーション実行におけるリソース負担の軽減という観点からも好ましくない.したがって,インターネットブラウザには,最低限必要なディジタル信号処理の機能をもたせておき,必要に応じて機能を付加するという方式が考えられた.ディジタル信号変換のために新たに付加されるルーチンのことを,プラグインと呼ぶ.この方式をとることによって,将来新たに開発されるディジタル信号の形式にも,プラグインを付加すれば対応可能になっている.
プラグインはインターネットブラウザだけではなく,そのほかのさまざまなアプりケーションソフトウェアに機能を付加するためにも用いられる.
図1 プラグインの概念図.
QuickTime
Macintosh上で用いられていた,動画像再生用のアプリケーションである.現在では,Windows系のOS上でも広く用いられている.QuickTimeは,単体のアプリケーションとしても,また,QTムービー
(Quick Time形式に準拠した動画データ)再生用のプラグインとしても利用される.主に,実写系の動画像再生に用いられる.
図2 QTの図
Shockwave for Directorr
Macromedia社のマルチメディア・オーサリングウェアであるDirectorを用いて作成された動画像などをインターネットブラウザ上で再生するためのプラグイン.主にCGアニメーションなどの再生に用いられる.VRML3D系の画像データの再生は,その標準データ
形式が完全には定まっていないこともあり,プラグインで処理を行う場合が多い.インクーネットブラウザであるNetscape Navigatorにおいては,Live
3DなどのVRMLデータ再生用プラグインが当初から組み込まれている.こうしておけば,そのほかの3D系画像データ形式が標準的に使用されることになっても,プラグインの付替えを行うだけで対応することが可能である.
ヘルパーアプリケーション/外部ビューア
プラグインは,インターネットブラウザに組み込まれる形で利用されるが,それとは異なって,外部に単体で置かれたまま,ディジタルデータの再生のみを行うタイプのものもある.これを,外部ビューアもしくはヘルパーアプリケーションと呼ぶ.たとえば,Wordを外部ビューアとしてブラウザに登録しておくと,Word形式のデータを受信したブラウザはそれをWordに引き渡し,再生した結果のみをブラウザの画面上に表示することが可能となる.また,アーカイバなどを外部ビューアとして登録しておくことも可能である.
マルチメディアOS
現実的には,さまざまなプラグインをブラウザに適宜組み込むことによって,ほぼすべてのディジタル信号形式を再生することが可能になっているが,これは便利である一方,プラグインの組込みや取りはずしなどの負担をユーザに強要していることにもなる.実際には,ユーザが扱いたいと考えているデータ形式の種類としては,音楽,音声,静止画像,動画像,そして文書に限られるので,これらをすべて扱うことができれば,プラグインは必要がなくなるともいえる.プラグインが登場してきた背景としては,これらのモダリティを有するデータ形式の標準化が確定しないということが第一に挙げられる.したがって,各モダリティのデータ形式が完全に標準化されれば,プラグインは必要なくなる.マルチメディアOSとは,そのような標準化のもと,OSの機能としてそれらのデータの再生をオーサリングウエア:マルチメディアにおいて扱われる.音声,映像,文書チータなどのコンテンツ(具材)をまとめて.効果的に提示するために用いられるソフトウエア.VRMLVirtualReality
Modeling Language:仮想現実構築言語Netscape Navigator:インターネット上で用いられるフラウザの一種ビューアViewerWord.:Microsoft社が開発したワードプ□セッサアーカイバ:圧縮解凍ソフトモダリティ:視覚,聴覚,触覚などといった個々の感覚器によって受けとることのできるデータ形式のこと
BeOS
:Macintosn上で動作するマルチメディアOS.最近になって,DOS/V磯上で動作するバージョンもリリースされた.
DAVID
:DECのマシン上で動作するマルチメディアOS
ルーチンインタフェース
:二つの異なるソフトウエアやハードウェア間での,チータの受け渡し,信号の受け渡しなどの総称.デバイスドライバ
バージョンアップ
:ソフトウエアやハードウェアなどにおいて,全体的な規格は変えずに細部の変更を行うこと.
行うものである.
インターネットブラウザなどに付加されるプラグインで再生を行うのではなく,OSの機能によって再生を行うわけであるから,そのOSを用いる限りは,どのアプリケーション上でも見たり聞いたりすることが可能となるという利点がある.しかしその反面,OSが扱うことのできないデータ形式に対しては,結局プラグイン方式などで対応せざるを得ず,ネットワーク全体におけるデータ形式の標準化が進まない以上,はん雑さは変わらない.現在,マルチメディアOSとしては,BeOS,DAVID,などが提唱されているが,広く普及しているとはいいがたい.
デバイスドライバ
マシンに接続される機器も日々進化している.現在市販されている周辺装置だけではなく,新たに発明された装置を,現在のOSのもとで使用したいという要求も存在する.周辺装置を駆動するには,そのソフトウェアが必要となる.基本的なものに関しては最初から組み込んであるが,現在想定されていないような装置に関しては,それを駆動するためのルーチンはOSには装備されていない.新たな周辺装置が開発されれば,そのメーカーは同時にそれを駆動するのに必要なソフトウェアも開発する.それがデバイスドライバである.その意味で,デバイスドライバは,マシンと周辺装置のインターフェースをつかさどるソフトウェア/ルーチンであるといえる.周辺装置の実効性能は,そのハードウェアの性能のみに依存するのではなく,デバイスドライバの性能にも依存する.ハードウェアとしてはできのよい周辺装置であっても,デバイスドライバの性能が低ければトータルの性能は低いものとなる.また,メーカー側もデバイスドライバをこまめにバージョンアップしており,ユーザとしては最新のデバイスドライバを装備しておくことが,生産性を高める上で必要な措置であるといえる.
図3 デバイスドライバの概念図
練習問題次の文章が説明している用語を解答群より選べ.
a.Windows,Macintosh上などにおいて,動画像を再生するためのプラグインとして用いられることの多いソフトウェア.
b,ブラウザなどには組み込まずに外部においたままの状態で,ディジタルデータの処理を行い,その結果だけをブラウザに戻すタイプのソフトウェア,およびその処理の方式.
c.3次元画像構築のための言語,および再生用アプリケーションの名前.
d.ブラウザやアプリケーションの内部に組み込んで,ディジタルデータ変換の機能を付加するタイプのアプリケーションソフトウェア.
e,コンピュータ本体に接続された各種ハードウェアを駆動するための信号やデータを作成する場合に用いられる,それらのハードウェア専用のソフトウェア.
〈解答群〉
ア.ヘルパーアプリケーション
イ.ハイパーアプリケーション
ウ.QuickTime工.Quick Cオ.デバイスドライバカ.VRMLキ.プラグインク.プラグスーツ
ここがポイント!
コンピュータが実行できるのは機械語で表現された信号列のみである.人間が記述したプログラムを機械語に変換する役割を担うツールを.コンパイラと呼ぶ.
コンピュータ言語
低水準言語,高水準言語この場合の水準(level)は,“Sea level(海抜)"などにおける用法と同じく,ある基準面からの「距離」を指す言葉であり,"grade(等級)"とい意味ではないことに注意.したがって,「高級言語」という訳語は誤訳であるといえる.
高水準言語と低水準言語
コンピュータを用いてさまざまな処理を行うにはソフトウェアが必要となるが,このソフトウェアを作成するために使われる記号系列のことをコンピュータ言語と呼ぶ.
コンピュータ言語の分類方法はさまざまである.まず,人間にとってどれほどわかりやすい(扱いやすい)かによって分類するならば,低水準言語と高水準言語に分類できる.コンピュータの世界において低水準という言葉を使う場合,それは「機械に近い」という意味であり,逆に高水準という場合は「より人間に近い」という意味である.つまり,低水準言語とは,機械に近い言語のことであり,高水準言語とは人間に近い言語である.アセンブラ言語と機械語を低水準言語と呼び,それら以外のすべてのコンピュータ言語を高水準言語と呼ぶ.
アセンブラ言語機械語
図1 低水準言語と高水準言語
ソースプログラム(原始プログラム):
プログラマが.ある言語仕様のもとで記述したテキストファイルCPUCentralProoessing Unit:中央処理装置
インタプリタ言語とコンパイラ言語
コンピュータ言語で書かれたプログラムを実際に動かすためには,そのプログラムの記号列を機械語に変換しなくてはならないが,この変換の仕方によってコンピュータ言語を分類することもできる.
私たちがコンピュータ言語を用いて記述した元の記号列のことを,ソースプログラムと呼ぶ.CPUが何らかの方法によって,ソースプログラムを実行できる形式に変換する必要がある.
インタプリタ言語
コンパイラ言語
オブジェクトプログラム
ライブラリ
:本来は「図書館」という意味であるが,コンピュータの世界で「ライブラリ」という場合には.あらかじめ各コンパイラに用意されている基本的なルーチンのことを指す.たとえば.モニタの画面に文字列を表示するためには,標準入出力ライブラリと呼ばれるルーチンを呼び出して使うと,プログラミングが簡便になる.
リンカー連係編集プログラム
実行可能プログラム(executable program)
:これを.loadable program, loadmoduleなどと呼ぷ場合もある.それは.実行するためには実行形式のファイルを主記憶上の読み込む(loadする)必要があることによる.
ソースプログラムを1行1行機械語に変換し,変換と実行を順次繰り返していくという方法をとるのがインタプリタ言語である.これは,例えるならば「通訳」のようなものである.インタプリタ言語の場合,実行形式のプログラムは残らず,実行するたびに変換を行うことになる.
ソースプログラムの記号列をすべて読み込んでおいて,それらを一括して機械語に変換する方法をとるのがコンパイラ言語である.これは,「翻訳者」のようなものであるといえる.コンパイラ言語の場合,変換した後に機械語の記号列が作成される.この機械語形式のプログラムのことをオブジェクトプログラムと呼ぶ場合もある.また,ソースプログラムをオブジェクトプログラムに変換することを「コンパイルする」といい,その変換に使用するソフトウェアをコンパイラという.オブジェクトプログラムは,このまま単体では実行することができず,ライブラリなどのそのほかのさまざまなプログラムと結合することによって実行可能なプログラムとなる場合が多い.この結合のことをリンクと呼び,リンクを実行するプログラムのことをリンカーと呼ぶ.リンクが終わると,実行可能プログラムが完成する.
図2 コンパイル,リンク,エクスキュート
現在,インタプリタ言語の数はそれほど多くない.純粋な意味でのインタプリタ言語としてはMacintosh上で用いられるHyperTalkなどがあるが,BASICの多くもインタプリタ言語と見なすことができる.ただし,現在市販されている多くのBASICは,コンパイラ言語としても使用することが可能である.C言語のほぼすべてはコンパイラ型の言語であるが,一部にはインタプリタ言語として使用できるものもある.
オブジェクト指向型言語
OOL
object Oriented Language
OOPObject Oriented Peogramming
そのほかの言語
また,1980年以降になって普及しはじめたものとして,オブジェクト指向型言語と呼ばれる一群のコンピュータ言語が存在する.代表的なものとしてSmalltalkを挙げることができるが,現在かなり普及しているVisualC++やVisualBasicにもオブジェクト指向の考え方が組み込まれている.オブジェクト指向型言語でいうところのオブジェクトとは.変
アルゴリズム
:演算手順
テンプレート
:鋳型
MFC
Microsoft Foundation Class
:Microsoft社の言語であるVC++などで用いられるクラスのライブラリ.その他のクラスライブラリとしては,TOL(Tnink Class Library)などがある.
インスタンスクラス
数(値をしまっておく箱のようなもの)とアルゴリズム(メソッド)とが組み合わされたものである.実際にプログラムの中で使われるオブジェクトはインスタンスと呼ばれるものであり,このインスタンスを作るためのテンプレートはクラスと呼ばれる.クラスは集合が言語によって用意されており,前述のVisualC++では,MFC(Microsoft Foundation Class)という名前のクラス集を用いて実際のオブジェクト(インスタンス)を作っていくことになる.例えるならばクラスははんこであり,インスタンスはそのはんこを用いて押された印面である.
図3 オブジェクトの概念図
Lingo
:Maoromedia Directorで用いられるスクリプト言語
そのほかにも,純粋な意味ではコンピュータ言語とは呼ばない類の処理手順記述用の記号列が存在する.これをまとめて,スクリプト系の言語と呼ぶ場合もある.前述のMacintosh上のHyperTalkはスクリプト系の言語に近い.スクリプト系言語の特徴は
@記述されたプログラム単体では動作させることができず,実際に実行するためにはその元となったアプリケーションがplayerとして必要となる.
A最終的にCPUが理解可能な機械語への変換は,そのplayerが行う.
B記述形式はかなり高水準であり,プログラムを専門としない人でも扱うことができる.例としては,VBスクリプト,JavaScript,Lingo,などを挙げることができる.また,ホームページの文字体裁や画像との連係情報などを記述するため
に用いられる言語としてHTML,3次元画像を構築するための書式としてのVRMLなども一種のコンピュータ言語であるといえる.
表1各種言語
HTML Hyper Text Mark-up Language
VRML Virtual Reality Modeling Language
練習問題次の文章の□を埋める適当な語句を解答より選べ.
コンピュータ言語で,人間が通常使っている言語により近いものを[a.]と呼び,機械語に近いものを[b.]と呼ぶ.[b.]としては[c.]がある.また,現在用いられているほとんどのコンピュータ言語は[a.]に分類される.[a.]は,さらに[d.]と[e.]に分類される.[d.]とは,ソースプログラムを1行1行直接的に変換し,実行を順次繰り返すタイプの言語である.また[e.]は,オブジェクトと呼ばれる機械語のプログラムを作成し,それをさらにリンクして実行形式のプログラムファイルを作成するタイプのコンピュータ言語である.
〈解答群〉
ア,コンパイラ言語
イ.コンパトラ言語
ウ.インタプリタ言語
工.高水準言語オ,低水準言語カ.高能力言語キ.低能力言語ク.機械語ケ.自然言語
ここがポイント!
マス目(セル)に入力した文字列や数値などのデータを集計したり表やグラフ出力したりする役割を担うのが,スプレッドシートである.さらに大きなデータを効率的に処理する場合には,DBMS(データベース管理システム)を使用する.
スプレッドシート
セル
:元来は「細胞」「小部屋」などという意味であるが,スプレッドシートにおける一つひとつのチータ入力用のマス目をこう呼ぶ.
Excel
:Miorosoft社が開発した表計集ソフトウェア
マクロ
スプレッドシート
コンピュータを用いて行う処理業務は,基本的にはデータの記録および演算処理に分けることができる.しかし,ちょっとした集計計算や個数計算などをするために,わざわざプログラム言語を用いなくてはならないのでは面倒である.とはいえ,電卓で行うには少々複雑すぎる集計処理なども多数存在する.そのようなときに効果的なのがスプレッドシートと呼ばれるアプリケーションソフトウェアである.スプレッドシートという名は,広げられた紙という意味であり,日本語で表計算ソフトと呼ばれることもある.基本的にはセルと呼ばれるマス目の中にデータを入力し,用意されている計算式や関数を用いて演算処理を行うためのものである.
各セルには,固有の番号がつけられており,その番号を指定することにより計算式を組んで計算処理を行うことができる.セルA1〜A5に数値が入力されている場合,セルA6に「=SUM(A1:A5)(または,=A1+A2+A3+A4+A5)」と入力すると,そこに計算された値が代入される.このSUM()などのことをワークシート関数,または単に関数と呼ぶ.一般的なスプレッドシートには,このような関数が100以上あり,中には複雑な統計的検定処理などを行うことができる関数もある.
計算処理以外にも,スプレッドシートにはいくつかの便利な機能が付加されている.その一つに,表組みの機能が挙げられる.スプレッドシートにとっては得意な処理であるといえる.
さらに,データのグラフ化にも,スプレッドシートが役に立つ.現在最も普及しているスプレッドシートであるExcelには,数十種類ものグラフの基本形式が用意されており,ユーザがデータの範囲を指定してグラフの形式を選択するだけで簡単にグラフを作成してくれる.グラフの大きさや文字の大きさ,軸目盛りの打ち方などは,変更することが可能である.
PC上で広く普及しているスプレッドシートとしては,ExcelやLotus123などがある.また,UNIXワークステーション上ではWINGZなどのスプレッドシートが用いられている.マクロスプレッドシートには,普通マクロと呼ばれる機能が付随している.マ
(a)関数(Avera只e)の使用例
(C)グラフの例
(b)表組みの例
図1 Excelの例
クロの利用形態にはさまざまなものがあるが,大きく分けて次の二つに分類することができる.
●マクロを記録する あたかもテープレコーダーに記録するかのように,ユーザが行う手順を記録していく.同じ作業を何度も行う場合,その操作をマクロとして記録さえしておけば,後はマクロの実行を指示するだけで,その作業が行われる.
●マクロを記述する マクロは一種の言語であるので,ユーザがキーボードを使って自分で記述することができる.言語としては非常に簡単なものであるので,非プログラマであっても容易に習得が可能である.また,言語の全体像を把握している必要もなく,必要な処理手順に関して
図2 マクロの例
のみの知識があれば「プログラム」を組むことができる.
データベースDB.DataBase
DBMS
Data Base Managing System
:データベース管理システム
DDL
Data Description Language
:データ記述言語
DML
Data Manipulatio
nLanguage:データ操作言語
テタベース
大量のデータを効率よく管理するためには,やはりデータ管理専用のソフトウェアが必要となる.この場合に用いられるソフトウェアが,DBMSと呼ばれるものである.一般にDBと省略されるのはDataBaseであり,それを管理するためのソフトウェアをDBMSと呼んで区別する場合が多い.PCの分野などでは簡略化してデータベースソフトなどと呼ぶ場合もある.DBMSの主要機能としては,@データ記述,Aデータ操作の二つが挙げられる.デー夕ベースヘのデータ追加や変更を行うために各DBMSに用意されている命令書式をDDLと呼び,データの参照や抽出を行う書式をDMLと呼ぶ場合もある.
図3 データベースの概念図
SQL
Structured Ouery Language:構造化問い合わせ言語
DBMSを利用することによって,大量になったデータの管理を人間が直接行うのではなく,ソフトウェアを用いて管理することが可能になる.データ重複のチェック,変更の管理,機密保護などは扱うデータ件数が大量になればなるほど複雑化する.それらを一手に管理してくれるソフトウェアがDBMSである.例えるならば,ユーザがデータベースを参照しようとする場合には,DBMSに対して問合わせを行い,DBMSがその問合わせを処理してユーザに対してデータの一部を表示するという形である.従来,大型機上では,そのようなDBMSへの問合わせを行うための言語としてSQLが用いられており,現在でもSQL形式での問合わせを行うことが可能である.
図4 SQLの例
内部モテル,外部モテル,概念モデル
データベースにおけるデータの貯蔵形式のことを内部モデルと呼ぶ場合がある.従来,大型機などで用いられていたDBMSでは,作成された
DBをそのデータ構造の構築方式によって@木構造データベース,A網構造データベース,B関係構造データベースなどに分類していたが,現在ではほぼすべてのDBが関係構造データベースのメソッドで構築されている.木構造データベース網構造データベース関係構造データベース
図5 木構造.網構造の概念図
それに対して,ユーザから見たデータベースの利用形態のことを外部モデルと呼ぶ.例えるならば,外部モデルとは,データベースを「どのような窓からみるか」という,窓の形のことである.また,データベース構築は,現実世界に存在するデータをどのように捉えるのかということに端を発するわけであるが,この「現実世界から,どのようなデータを,どのような形式で拾ってくるのか」という基本的な考え方を概念モデルと呼ぶ.たとえば,「企業DB」を作成しようと考えたときに「社長の趣味」や「その会社のトイレの数」などを盛り込む必要があるのかないのか,ということが概念モデルにあたるといえる.
リレーショナルデタベース+
関係構造データベースの基本的な考え方は,すべてのデータを単純な2次元の表で構成しておいて,その表と表の間の関係を記述することによってデータベースを構築していくというものである.練習問題
次の文章が説明している用語を解答群から選べ.
a.現実世界に存在する主題をどのような形式で収集するかというイメージ.
b.実際に収集したデータを,どのようなデータ構造を用いて記録するかという具体的な方法.
c.作成するデータベースを,どのように参照したり抽出したりするかという利用形態.
d,データベースにアクセスしてチータの参照や抽出を行うときに用いられる言語の総称.データ操作言語.
e.デ一夕ベースヘの新規チータの追加などを行うときに用いられる言語の総称.データ記述言語,
〈解答群>
ア.内部モデル
イ.トップモデル
ウ.外部モデル
エ.スーパーモデルオ.概念モデルカ.DDLキ.DDIク.DMLケ.DHL
ここがポイント!
インターネットは,地球規模で展開されている分散開放型広域通信システムである.インターネットでは,電子メール,ファイル転送,WWW,ネットニュース,遠隔ログインなどの機能を利用することができる.
インターネットlnternet
WWW
World Wide Web
ネットニュース(netnews)
:ニュースグループ(news group)も同じ意味で用いられる.
インターネットの5大機能
テルネット(Telnet)
:遠隔ログイン(remote login)のための命令をこう呼ぶ
インターネットメール
ファイル転送
HTTP
Hyper Text Transfer Protoool
インターネットとは
インターネットとは,分散開放型広域ネットワークの実現形の一つである.インターネットというとホームページを思い浮かべる人が多いが,インターネットの機能はホームページだけではない.世界中のホームページかくもの巣のように連結している状態を称してWWWと呼んでいるが,これはインターネットの機能の一部にすきない.一般に,インターネットの5大機能として,WWW,インターネットメール,ファイル転送,ネットニュース,テルネットを挙げる場合が多い.
WWW
WWWは前述のとおりホームページの集まりである.これは,HTTPと呼ばれるプロトコルによって実現されている機能であり,簡単にいうと複数のホームページの間にリンクが張られていてつぎつぎと移動できる機能のことをいう.リンクをたどってつぎつぎと移動していくことを,ネットサーフィンと呼ぶ場合もある.ハイパーテキストとは,「映像や音声,さらにはジャンプ先のアドレスなどをも貼りつけることができるのだから,ただの文書ではない!」と捉えておけば十分である.
図1 インターネットの5大機能概念図
図2 WWWの概念図
プロトコル
:protocol通信規約「通信における決まりこと」,通信においては,送信側と受信側が「共通したルール」にのっとったチータを使う必要があるが,プロトコルとは,その「ルール」のことを指す.
ネットサーフィン
:それぞれのホームページの間に張られている「リンク」を次つぎとたどっていくこと.
ハイパーテキスト Hyper Text
HTML
ハイパーテキストを記述するための記述形式(言語)を,HTMLと呼ぶ.ホームページはすべてこのHTMLを用いて記述されており,それをHTML文書と呼ぶ.HTML文書は,通常のエディタ(ワープロの簡易版のようなソフト.文字列を表示し編集するためのツール)で見ると,ただの文字の羅列にすぎないが,これをインターネットブラウザを用いて表示させると,画像や音声,ハイパーリンクなどが表現される.
インターネットプラウザ
ブラウザは閲覧ソフトと訳されているものであり,簡単にいうと「表示するだけで,編集したりすることはできないワープロ」という意味である.現在,インターネットブラウザには二大勢力がある.一つはNetscape Navigatorであり,もう一つがIntemet Explorerである.
図3 NetscapeとMSIEの図
HTML
Hyper Text Markup Language
インターネットブラウサ
lntene tbrowser
:閲覧ソフト
SMTP
Simple Mail Transfer Protocol
NNTP
Net News Transfer Protocol
:簡易メール転送プロトコル
インターネットメール,ネットニュース
インターネットを利用してE-mailを送るときに使用されるプロトコルが,SMTP(Simple Mail Transfer Procotol)である.「Simple」という単語が使われているわりには,実にさまざまなことができる.テキスト文書はもちろんのこと,音声,画像,プログラムなど,およそコンピュータで扱うことができるデータは,ほとんどすべて添付メールとして送信することが可能である.また,JPEG形式などの画像であれば,メールを受信したその場で見ることができる.このSMTP手順を利用して,記事の配信を行うのがネットニュースである.記事といっても実際には,世界の誰かが投稿したメールである.ネットニュースを扱うためのプロトコルを,NNTPと呼ぶが,機能はSMTPとほぼ同じである.
URL Uniform Resource Locator
URL
インターネットメールを送る場合に使うアドレスや,ホームページの所在位置を示すアドレスは,URLという形式に統一されている.URLの最初の要素は,使用するプロトコル名を表している.それに続いて://の
図4 URLの要素
NIC Network Information Oenter
区切り文字が入り,その後に個々のアドレスが記載されている.
アドレスの最後の部分は,各国のNICが管理している組織種別や国名の略号が記載される.たとえば,JPNICが管理している日本国内の機関としては,以下のものがある.
検索ページSearch engine
FTP
File Transfer Protocol
アーキー
Arcnie:
"アーチー"と読む場合もある.
lSOl
nternational Standard Organizatlon
:国際標準化機構
OSl
Open System Interconnection
TCP/IP
Transmission Control Protocol/Internet Protocol
:「インターネット」という名前の由来となっている基本プロトコル.インターネット上で伝送されるディジタル信号は,通常はこのプロトコルに準拠している.
PPP
Point to Point Protocol
検索ベージ,FTP,アーキー
インターネットでは,世界中で公開されているさまざまなチータやプログラムを転送して自分のマシン上にもってくることができる.これはファイル転送と呼ばれ,管理するためのプロトコルはFTPと呼ばれる.しかし実際には,どこに何のファイルがあるのかを知っておかなければそのアドレスを指定してファイル転送することはできない.インターネット上でのホームページの検索は,検索ページで実行することができるが,これと同じ機能を実現しているのが,ファイル検索プログラムであるアーキーである.
TCP/IP
インターネットによる通信は,ISOによるOSI参照モデルに準拠している.ディジタル信号の送信に関するプロトコルはTCP/IPと呼ばれるが,これはOS1参照モデルとは正確には対応していない.通常は,OSI参照モデルの中の「ネットワーク層」に対応するプロトコルがIPであり,「トランスポート層」に対応するのがTCPであると解釈される.インターネット接続を行うマシン側でソフトウェア的に管理しなくてはならないのは,このTCP/IP層よりも上位の層に関連するプロトコルである.したがって,TCP/IPプロトコルを扱うソフトウェアは個々のマシン側に用意されていなくてはならない.また,公衆回線を用いてインターネット接続する場合には,その電話がつながっている状態のときにのみ接続が構築されることになる.それをダイヤルアップIP接続と呼ぶ.これは,PPPと呼ばれるプロトコルによって制御される.ただしWindows系のマシン上においては,PPPは「ダイヤルアップアダプタ」で実現されている.
図5 0SI 7層モデルの図
下のa.〜e.の通信サービスの基礎となるプロトコル名称を解答群より選べ.
a.ホームページ
b.インターネットメール
C.ファイル転送
d.ネットニュース
e.遠隔ログイン
<解答群〉ア.HTTP
イ.HPP
ウ.SMTP工.FTPオ.DTPカ.NNTPキ.Telnetク.Tellog
ここがポイント!
イントラネットとは,TCP/IPを核としたインターネット技術を用いてLANを構築することである.これによってインターネットと同じ環境やソフトウェアを用いて,社内通信網などにアクセスすることが可能となる.
イントラネットintranet
WAN
Wide Area Network
:広域通信網
LAN
Looal Area Network:構内通信網
インターネットとイントラネット
InterとIntraという二つの接頭語は,「相互の(=inter)」と「内部の(=intra)」という意味の違いをもっている.インターネットがそれぞれの「小文字のintenet」間の相互接続を表すのに対して,イントラネットはそのそれぞれの域内でのネットワーク接続のことを表す.しかし,従来このような用語がほかになかったわけではなく,WANとLANという用語が存在している.LANとイントラネットの違いは,前者が単なる通信接続の利用形態を表す用語であるのに対して,後者が「TCP/IPを基本としたインターネット技術そのものを用いてLANを構築する」という意味を有していることにある.
図1 イントラネットの概念図
Webサーバ
ゲートウェイ
ファイアウォールゲートウェイサーバ
グルーフウェア
サーバ
文書サーバ
テータベースサーバクライアント
社内の通信網(企業内LAN)にアクセスするのに,インターネットで用いているものと同じブラウザやメーラを使うことができれば,利便性は増大する.外部ヘアクセスしたり,外部からのデータを受け取ったりするときに使うアプリケーションと,社内でのネットワークで用いるアプリケーションが同じであるほうが便利であるのは当然である.
イントラネットの基本構成
イントラネットの構成要素としては,Webサーバ,ゲートウェイ,ファイアウォール,ゲートウェイサーバ,グループウェアサーバ,文書サーバ,データベースサーバなどのサーバ群,およびクライアントとなる個々
のマシンなどが挙げられる.これらはLAN経由によるクライアントサーバ型分散情報システムを形成する.
図2 イントラネットの基本構成図
企業内にすでにLAN環境構築に必要なハードウェアが存在しているのであれば,各サーバ用として専用のマシンを購入する必要はなく,単に既存のマシンをサーバとして利用するだけで済む場合が多い.また,従来のLAN環境においてはクライアントマシン側で動くアプリケーションもさまざまであり,それらの使用方法に関しても別々に習得しなければならなかったが,イントラネットにおいては,それらのグループウェアアプリケーションの機能もブラウザの画面から利用することが可能になるという利点もある.
グループウェアとの連携
社内情報システムにおいて中核的役割をなすのは,データベースシステムやグループウェアと呼ばれるミドルウェアである,たとえば,@社内情報の掲示板,A電子メール,Bスケジュール管理,C会議室予約,D営業情報の交換などは,サーバなどによる集中したデータ管理を必要とするグループウェアで実現される.しかしながら,Netscapeなどのインターネットブラウザには当然これらの機能は一部しか実現されておらず,Webサーバとブラウザという基本構成だけでは社内情報システムに必要なすべてのサービスを提供するには不十分であるといえる.したがって,これらのグループウェアやデータベースシステムをウェブ
図3 グループウェアとの連携
ウイルス
:何らかの不具合を喚起する目的で,ソフトウェアなどに意図的に仕込まれているルーチン.チータ破壊や消去などを行うものもある.
サーバと連携させる必要がでてくる.それによって,商品情報や技術情報の共有,社員向けの連絡,各種の連絡や届け出,資料の公開などが円滑になる.特に,データベースとの連携においては,社内に蓄積されている情報の利用を円滑かつ効率的に進めることが可能となる.
イントラネットの利点
イントラネットの利点は,何といっても,インターネットにアクセスするときの手軽さと同じ手順で,社内LANにアクセスできることである.また,Webサーバの構築には,コストがあまりかからないという利点もある.なおかつ,電子メール,ファイル転送,ネットニュースなどの従来のインターネットブラウザで利用できる機能だけを使うのであれば,イントラネットの各クライアント側に用意する必要があるのはNetscapeなどのインターネットブラウザだけである.
イントラネットの弱点
内部からも手軽にアクセスできるということは,外部からもアクセスしゃすいということにほかならない.TCP/IPを基本とするインターネットで用いられている通信規約は技術者の間でも周知度が高く,そのセキュリティホールに関しても広く知られている.その意味において社内情報サービスでもインターネット技術を使用するイントラネットは,企業情報システムヘの侵入を企むハッカーの好餌となりやすいともいえる.
インターネットとイントラネットの境界部分には,しっかりとした情報防壁を構築し,外部からの侵入が容易にならないように守る必要がある.この情報防壁のことをファイヤーウォールと呼ぶ.まさに防火壁である.
また,インターネット上で流布しているウィルスがイントラネット上にもち込まれた場合,すべてのクライアントマシンが感染するまでにはさほどの時間がかからない.一台のクライアントが感染してしまえば,そこを経由して加工されたファイルの多くにウィルスが付着しているからである.なおかつ,ウィルスの種類によっては復旧が不可能なレベルの損害をもたらす場合もある.外部へも気軽にアクセスできるという点から,さま
図4 ファイヤーウォールの概念図
ざまなファイルをインターネット経由で転送してくるという利便性もあるが,その逆に,ウィルスに感染しているファイルをもち込んでしまうという危険性も高くなる.
次の文章が説明する語句を解答群より選べ.
a.イントラネットなどによって構築された社内情報システムを,外部と切り分けておき,外部からの不正な侵入を防ぐためのシステムの一つ.b.社内情報掲示板システムや会議室の利用予約システムなどを実現するために,用いられるソフトウェアの総称.多数のユーザから送られるデータを取りまとめて一括管理するという意味合いによって,こう呼ばれる.c.ホームページの元となるHTML文書を集中管理しておくための場所.通常は大容量のハードディスクなどが用いられる.d.インターネットなどの通信システムにおいては機密保護や不正侵入回避策が講じられているが,当初においては想定し得なかった状況の出現やシステムに内在しているバグによって,それらの機能が意味をもたなくなる場合がある.そのような場合における,管理上の弱点のこと.e.各種の情報やサービスの提供の元となるシステムであるサーバに対して,処理要求を提示したり送信したりする利用者側のハードウェアやソフトウェアのこと.〈解答群〉ア.Webサーバイ.ファイヤーウォールウ.クランケエ.クライアントオ.ファイヤーボールカ.セキュリティホールキ.インベーダーホールク.グループウェアケ.テーブルウェア
■知識を広げようWebページ,ホームページ,トップページ:ホームページという名前も曲者で,さまざまな意味で用いられていて用語法が今一つ定まっていないのが現状である.正確にいうと,一般に現在ホームページと呼ばれているもののほとんどは,従来Webページと呼ばれていたものを指している.ある団体や個人は複数のWebページをもっている.その複数のWebページのまとまりをWebサイトと呼ぶ.Webサイトの内で中核にあたるもの(そのWebサイトヘとジャンプしたときに最初に開かれるページ)のことを,ホームページと呼ぶ.いったんホームページに入って,そこからその下位にあるさまざまなWebぺ一ジヘと移動するのが普通だ.しかし,ホームページとWebページをほぼ同じ意味で使う場合も多い.さらに,あるWebサイトにジャンプしたときに最初に表示される画面(本来ホームページと呼ばれていたもの)をトップページと呼ぶようになりつつある.
ネットワークセキュリティサービス
lDIdentifioation
:識別名
パスワード:
暗証番号
ノード(node節)
:インターネットに参加しているマシンイーサネットボード
通信の安全性
ネットワーク接続されているマシンは,基本的には「何らかの方法で外部からアクセスできる状態」に公開されていることになる.したがって,アカウント(IDとパスワード)をもっていない人でも,何らかの方法を用いればマシンに侵入することが可能となる.また,インターネット上で伝送されている信号データは,原則として,送信先以外のマシンによっても受け取られている.それが送信先以外のマシンの利用者に見られないのは,個々のノードのマシンに装備されているイーサネットボードなどの通信ボードの機能によってはじかれる(受け取りが拒否される)からにすぎない.したがって,通信ボードを改造したりすることによって,すべての信号データを受信可能なようにすることも不可能な話ではない.
図1 バケツリレー方式
例えるならば,インターネットは,教室内で友人どうし手渡しで手紙を送っているようなものである.バケツリレー方式と呼ばれるのは,その意味においてである.途中にいる不心得者がその封を開けて中身を読んでしまう可能性は常に存在している.したがって,絶対の安全性を確保しようとする場合にとるべき手だては通信を行わないということしかないのだが,それでは元も子もないので,さまざまな方法で安全性を確保しようとしている.
パスワードの暗号化
公開されていないクローズドなサイトや,インターネットプロバイダにアクセスする場合には,IDとパスワードによる認証が用いられる.今,あるIDをもったユーザがアクセスしてきた場合,パスワードの入力が要求される.しかし,ネットワーク上に公開されているサーバにパスワード
サイト
:ネットワーク上における.ある領域のこと.ホームページを開設している箇所や,FTPを開設している箇所など,さまざまな意味で用いられる.
インターネットプロバイダ暗号化
がそのまま保存されているのは危険であるため,パスワードは暗号化されてファイルに記録されているのが普通である.アクセスされた側は入力されたパスワードを,ある決められた変換によって暗号に変換し,その暗号化されたパスワードが,記録してある暗号化パスワードと一致するかどうかを確認する.この方式であれば,暗号化に用いた変換方式が知られない限り,パスワードが他者に知られる可能性は低い.また,アクセスを許可する側にいる人間であっても,パスワードを知ることはできない.このようなハスワートの暗号化に用いられるのは,一般に逆変換(逆関数)をもたない類のデータ変換処理であるため,暗号化されたパスワードファイルが万が一盗まれた場合でも,それらから暗号変換に用いられている変換式を推定することは困難である.
図2 パスワード認証の概念図
公開鍵暗号
通信において用いられる暗号化は,パスワードだけではない.たとえば,送信する文書やデータそのものを暗号化する必要も生じる.そのような場合には,パスワードの暗号化において採用されている方式を使うことはできない.暗号化送信されてきたデータを元のデータに復号する必要があるからである.従来の暗号通信においては,送信側と受信側で使う鍵が同じものであった.つまり,送信側が,1234という鍵で文書を暗号化したとすると,受信側もこの1234という鍵を使ってその文書を開く必要があった.この方式では,暗号鍵を最低2人の人間が知っている必要がある.公開鍵暗号方式では,送信側がデータにかける鍵(パスワード)と,受信側が開ける鍵を別なものにすることができる.送信側がデータを暗号化する場合に使う鍵は公開鍵と呼ばれ,受信者Aに対して送るデータはすべてAに対応する公開鍵で暗号化されることとなる.受信者Aは,その暗号化データを秘密鍵と呼ばれる鍵を用いて開く.この方式を用いると,「自分用の秘密鍵を知っているのは自分だけ」という状態をもたらすことができる.一般には,秘密鍵と公開鍵は,非常に桁の大きな素数を用いるため,通常のコンピュータを用いてそれらの組を同定するには天文学的な時間が必要となり,事実上不可能である,たとえば,NetscapeNavigator上で用いられているのは1024ビット(2の1024乗)の鍵である.
オンラインショッピング
公開鍵暗号方式の発明により,暗号化通信における秘匿性が飛躍的に高まった.たとえばオンラインショッピングにおいては,利用者が自分のクレジットカードの番号などをショップ側に対して送信する必要が生じるが,その送信経路において第三者からカード番号を盗まれないように暗号化通信することが可能となっている.ショップ側が提示する公開鍵を用いて必要データを暗号化して送信すれば,データが盗まれる可能性を飛躍的に小さくすることができる.しかしながら,利用するオンラインショップそのものの信頼性(たとえば,ネット上でのダミーショップである可能性)は,利用者が個人で判断するよりほかはない.
公開艇と秘密鍵は二つで1セットであり,受情者Aの公開艇で暗号化したデータは,それと組になっている秘密鍵を用いなければ,復号できない.図3 公開鍵暗号の概念図
たとえ通情経路上の第三者が,このデータを盗んでも,秘密鍵を知らない以上,4号は不可能である.
図4 オンラインショッピングでの暗号化通信概念図
電子印鑑証明
文書などに印鑑を押すように,ネットワーク上で送信するファイルにもそれに代わるものを添付して,それがまちがいなく本人からのものであることを証明するためのアプリケーションソフトウェアが多数開発されている.これを電子印鑑と呼ぶ.企業内のクローズドな環境で電子印鑑を使用
図5 電子印鑑証明の概念図
する場合には,履歴情報(いつ,どの文書に電子印鑑を押印したか)を一括管理することによって,不正使用をチェックすることができるが,より広範囲なネットワーク上で使用される場合には,別組織による証明が必要となる.このシステムを電子印鑑証明と呼ぶ.練習問題
インターネットなどの広域通信網システムにおいては,機密保護や通信の安全を確保するためのさまざまなサービスが用意されている.a.〜d.の文章を読んで,それぞれに最も関係のある語句を解答群より選べ.
a.ある文書やデータが,本当にその本人から送られてきたものかどうかを確認するための方法の一つ.一般には,LAN環境で用いられる.文書やデータの送信履歴を管理しておくためのサーバと組にして用いることによって,それらのデータの認証を行う.しかし,LANの外部から送られきたデータや文書が本人からものであることを確認することは,この方法では困難であるため,付加的な別の機能が模索されている.
b.a.で述べた機能に付加する形で用いられるセキュリティサービスの一つ.LANの外部に第三者機関を設立し,そこでデータや文書送信の履歴を管理する.その機関が,あるデータや文書がまちがいなく当人のものであるということを証明するための「書類」を発行し,送信者はその「書類」を添付してデータ送信を行う.
c.従来型の暗号通信方式では,暗号化するときに用いる鍵と復号(暗号を元に戻すこと)するときに用いる「鍵」が同じである必要があった.しかしこの方法では,その「鍵」の漏えいによって暗号化通信が無意味化してしまうばかりではなく,送信先の人間に「鍵」を教えるというリスクを犯してしまうとし・う問題点が指摘されていた.そこで,暗号化するときの「鍵」と,それを復号するときの「鍵」を別なものにできるという新たな方式が提案され,現在かなり広く普及しつつある.
d.アクセス制限などを行うサイトでは,アカウントをもたないユーザのアクセスを拒否するなどの対策を練っている.その場合において,認証の元となるIDなどはサイトの側で管理することになるが,管理の不徹底や漏えいなどに対しての対策が練られている.
〈解答群〉
ア.暗号化パスワード
イ.公開鍵暗号
ウ.個体識別システム
エ.電子印鑑オ.電子印鑑証明
ここがポイント!
コンピュータを用いた通信を行うためには,ユーザが使用しているマシンを何らかのネットワークに接続する必要がある.最も一般的な方法は,専用線によるIP接続であるが,最近はダイヤルアップIP接続も多用されている.
lP接続
internet Protocol Connection
ダイヤルアップIP接続
dial up IP conneotion
UUCPUnix to Unix Copy
DSU
Digital Signal Unit
CSU Communication Signal Unit
ルータ
LAN
Local Area Network
モデムmodem変復調装固
lPパケット
:インターネットプロトコル(P)に準拠した通信データのひとまとまり
インターネット接続の方式
インターネットに接続するためには,一般に次の接続方式が考えられる.
@専用線IP接続
AUUCP接続
BダイヤルアップIP接続
●専用線IP接続 インターネットに乗り入れているプロバイダとプロバイダの間などを専用線によって接続する方法.企業などが本格的にインターネットに接続する場合などに用いられる.専用通信線は24時間使用できるので便利だが,通信費,接続機器ともにかなり高額な出費を覚悟しなくてはならない.
デジタル専用線を用いてIP接続する場合には,次の機器類が必要となる.@通信線,ADSU,BCSU,Cルータ,DLANである.
通信線の規格はさまざまである.64Kbpsから6Mbpsのデジタル専用線が用いられる場合が多いが,アナログ専用線を用いて接続することも可能である.アナログ専用線を用いる場合にはモデムが必要となる.
DSUは各通信事業者から提供される通信線上の信号をデジタル信号に変換するためのものである.通常,192Kbps以上の通信規格の場合には通信線として光ファイバが用いられるため,DSUは光成端を行う.
CSUは,コンピュータとDSUの間のインタフェースをつかさどる.
ルータは,LAN側と外部の通信線との間でのIPパケットの交換を行うための機器である.通常,RS-232Cおよびイーサネットボードがついている必要がある.専用ルータを使用する場合と,UNIXマシンをルータとして流用する場合の二つが想定できる.一般に,Mbps単位
図1 IP接続の概念図
バッチ:一括処理
lPアドレス
:123.21.33.4.などというふうに記述される,インターネット上での固有のアドレス
図2 UUCPの概念図
の高速デジタル回線接続を行う場合には,専用ルータが必要となるが,64Kbps程度の回線接続を行う場合には,専用ルータを使わずにUNIXマシンをルータとして使うことでも対応可能である.
■UUCP接続通常のIP接続では,リアルタイムにデータの送受信が行われるが,この方式はサーバと回線の負担が重くなるという欠点がある.UUCP方式では,電子メールやネットニュースなどのトランザクションをいったんサーバにためておいて,時限バッチ処理によって別のUNIXマシンヘと転送するという方式がとられる.
元来のUUCPは,TCF/IPのプロトコルがまだ存在しないころに開発されたものであり,利用できるサービスも,電子メール,ネットニュース,ファイル転送に限られている.現在では,IP接続が主流になっているが,回線を効率的に利用できるため,通信コストの削減などには有効であるといえる.
■ダイヤルアップIP接続インターネット接続をするということは,そのノードに固有のIPアドレスが割りあてられることを意味する.たとえば,自宅からインターネット接続をする場合でも事情は同じであり,接続中には自宅のマシンに固有のIPアドレスが割りあてられている.その意味においては,常時インターネットに接続しているサイトでも自宅から接続しているユーザのマシンでも差はない.インターネットプロバイダは,自社で自由に割りあてることのできるIPアドレスを多数保有しており,ユーザがプロバイダに電話をかけて接続を要求した時点で,空いているIPアドレスをそのユーザに割りあてるという方式をとっている.したがって,いったん接続を破棄してしまうと,次回には
図3 ダイヤルアップIP接続の概念図
PPP
Point to Point Protocol
アクセスポイントAccess Point
:APと省略されることもある.公衆回線経由でダイヤルアップlP接続を行う場合に,最初に電話をかける「入口」.
WIDE
Widely Integrated Distrbuted Environments
また別のIPアドレスが割りあてられることになる.このように,電話をかけてきたユーザに対して順次1Pアドレスを割りあてる方式を,ダイヤルアップIP接続と呼ぶ.
これは,PPPによって制御される接続方式である.したがって,ユーザ側のマシンにもPPPを制御可能なソフトウェアが用意されている必要がある.
接線先
どのような接続方式をとるにしても,既存のネットワークのどれかに接続する必要がある.現在のところ,想定し得るインターネットの入口(接続先)には,次のようなものが挙げられる.
●商用サービスプロバイダ インターネット接続の入り口を提供することをビジネスとしている企業.現在,ダイヤルアップIP接続などにおいては,最も多く利用される接続先であるといえる.IIJ,OCN,So-Net,Rim-Net,Infoweb,などの多数の会社がある.研究用ネットワークに比べると利用料金が高めに設定されている場合が多いが,広告を載せたり,宣伝をしたり,オンラインショップを開いたりといった商業目的の利用も可能である.全国展開している商用プロバイダであれば,アクセスポイントの多さも魅力の一つとなる,料金体系としては各社さまざまであるが,月額固定制,年額固定制,従量制,などの体系をとっている場合が多い.
●研究ネットワーク 大学や研究機関などで作っている学術研究ネットワーク,およびWIDEプロジェクト.個人で参加できるところもあるが,ほとんどの場合,教育機関や研究機関に限定されている.また,商業目的での利用は制限される.WIDEプロジェクトは,日本で最初のIPネットワークであり,現在でも基幹ネットワークの一つとして利用されている.多くの商用サービスプロバイダや企業もWIDEネットワークに接続している.
●BBS BBSは,通常パソコン通信とも呼ばれ,インターネットが普及する以前からパーソナルコンピュータを用いたネットワークを構築していた.現在,多くの大手BBSは,インターネットともゲートウェイ接続しており,電子メールの相互のやりとりなどが可能となっている.もちろん,商用サービスプロバイダとしてダイヤルアップIP接続を利用できるようにしているところもある.
練習問題
次の文章は,公衆回線を用いてインターネット接続を行う場合の手順について説明したものである.口を埋める適当な語句を解答群より選べ.
まずインターネット接続に先立って,接続先である[a.]と契約し,接続に必要なIDとパスワードを得ておく必要がある.もちろん,[a.]以外の接続先を選ぶことも可能であるが,利用資格などに制限のある場合が多い.IDとパスワードを得ることができたら,接続に必要な各種設定を行う.設定を行う必要があるのは,[b.]と[c.]についてである.[b.]はインターネットにおける基本的なデータ送受信の形式を設定するためのものであり,[c.]はダイヤルアップIP接続を行う場合に必要なものである.各種設定が終わったら,実際にアクセスを行う.[a.]が開設している[d.]のうち,最も近い箇所に対して電話をかける.[c.]によってダイヤルアップIP接続が構築されると,[b.]によって定義されている内容に従って,実際の通信データの送受信が開始される.[b.]に準拠した通信データは[e.]によって人間が見たり聞いたりできる形のデータヘと変換される.また,必要がある場合には[e.]にプラグインなどのツールを組み込んで,補助的なデータ変換を行う.
<解答群〉
ア.インターネットブラウザ
イ.エントリープラグ
ウ.PPP
工.TCP/IPオ.APカ.プロバイダキ.プロピルダ
ここがポイント!
ネットワーク環境では,機能や性能によって処理の負荷を分散させることが可能である.クライアントサーバシステムの目的は,それぞれのマシンの機能や性能を勘案した上で,効率のよい分散処理を実行することである.
分散システム
コンピュータによって利用される情報や機器類をネットワーク上に配置して,それらの資源を有効利用しようとする分散システムの研究は,1970年代から活発に行われてきた.分散の種類としては,主に機能分散と負荷分散の2種類が想定される.機能分散とは,特定の処理に長じたマシンに対して特定の処理要求を割りあてる方式であり,負荷分散とは,処理の種類を考慮せずCPUやメモリを共用する方式である.インターネットは分散開放型の大規模広域ネットワークであるが,このような「緩やかな」分散システムとは別に,社内などのLAN環境においてマシンを緊密に接続しておいて,あたかもその全体が1台のマシンであるかのように利用できる環境を構築するための分散システムの研究開発が行われている.このような「緊密な」結合を目指すOSを,分散型OSと呼ぶ.
図1 機能分散と負荷分散
クライアントサーバシステムとは
分散型OSにおいては,クライアントサーバシステムと呼ばれるネットワーク構築技法が用いられる場合が多い.LANなどのネットワーク環境を構築する目的の一つとしては,資源の効率的利用がある.たとえば,ネットワーク接続されていないマシンが10台あるとすると,プリンタも大容量の外部記録装置も個別にそれぞれの10台のマシンに接続されていなければ利用することはできない.ネットワーク接続をすることによって,
図2 資源共用型ネットワークの概念図
1台のプリンタ,1台の大容量外部記録装置を接続しておけば,そのほかの8台のマシンから共用することが可能となる.
しかし,この方法では,サーバマシンに搭載されている比較的高性能なCPUの性能が単なるデータの差出しにのみ使われることになり,効率的ではない.サーバマシンの能力をより効率的に活用するためには,サーバ側でも独自のプログラムを実行し,クライアントの求める情報をより的確かつ高速に伝える仕組みが必要となる.つまり,クライアント側マシンとサーバ側マシンとの間で,機能分散を行う必要がある.
たとえば,従来のネットワークにおいては,クライアント側のマシンからデータベースサーバに接続して検索を行う場合などでも,クライアント側のマシンの性能を使って検索まで行う必要があったが,クライアントサーバ型のデータベース検索においては,クライアントから検索命令をサーバに送り,実際の検索処理はサーバ側のマシン上で行うことが可能になる.このように,クライアント側とサーバ側の役割を明確に分担し,効率よく処理を行うタイプのネットワーク構築の手だての一つが,クライアントサーバシステムである.
図3 クライアントサーバシステムの概念図
この役割分担を効果的に実現するには,ネットワーク上のすべてのマシンで単独のOSを動作させることでは対応は困難である.サーバ側のマシン上ではサーバ用のOSが必要となり,またクライアント側には業務処理に必要なアプリケーションを効率よく動かすための能力が求められる.従来,この問題の解決方法がなかったわけではない.たとえば,よく使われていたネットワーク構築方法として,サーバ側マシン上ではUNIXを動
作させ,クライアント側マシンはMacOSを動作させるというやり方がある.これは企業や研究機関などで広く用いられていた方法である.しかし,可能であれば,サーバ側とクライアント側で同じ類の操作性と運用環境が提供されていることのほうが望ましいといえる.
WWWサーバ
インターネットプロバイダなどにおいては,ホームページを集中管理しておくための大容量外部記憶装置が必要となるが,それを管理するのがWWWサーバである.また,イントラネットの構築などにおいては,社内にWWWサーバを設置し,内部からのみ見ることができるようにすることもできる.
図4 WWWサーバの概念図
メールサーバー
ネットワークでの電子メールの利用形態によって,メールの管理方式もさまざまなものとなる.大きく,集中管理方式と分散方式の二つに分けられる.このうち,分散方式はネットワークに接続している各マシンに直接メールが配信される方式である.集中管理方式は,メールを1ヵ所にためておいて,ユーザが必要になったときにその場所に対してアクセスし,自分宛のメールが来ているか否かを確認する方式である.後者の場合において,メールを集中管理している場所を,メールサーバと呼ぶ.メールの受信はPOPと呼ばれるプロトコルを用いて管理する場合がほとんどであ
図5 メール送信の概念図
り,またメールの送信に関してはSMTPで行う.SMTPによって送信されたメールはプロバイダ側の中継サーバを経由して送付先のメールサーバに到着する.そのメールサーバに対してユーザがアクセスすると,メールを受信することができるということになる.練習問題
次の文章および図は,クライアントサーバシステムに関して説明したものである.図および文章中の□を埋める適当な語句を解答群より選べ.
[a.]は,[b.]に対して処理要求を送信する.[c.]側のマシンは,接続されている大容量外部記憶装置やCPUを有効に利用して,[a.]の処理要求を実行し,その実行結果を[a.]に対して送信する.たとえば,[c.]などを用いた処理においては,わずか数行の[d.]のステートメント(命令列)だけを[a.]から[b.]に送り,実際の検索処理の実行などは,[b.]側の処理資源を用いて行う.このように,それぞれのハードウェアやソフトウェアにおいて得意とする処理を実行するようにシステムを構築し,処理を効率よく実行することを[e.]と呼ぶ。
〈解答群〉
ア.サーバ
イ.クライアント
ウ.マスター
工.スレーブ
オ.データベースサーバ
カ.データベースアシスタント
キ.SQL
ク.SMTPケ.機能分散コ.資源分散
ここがポイント!
コンピュータにはその利用用途によってさまざまな種類があるので,その特徴を押さえておこうこの分野はそれぞれの特徴を区別できれば十分解ける問題である.
デスクトップパソコン
ノートパソコンと対比し,一般に机の上に置いて利用するタイプのパソコンで,本体とキーボード,マウス,ディスプレイ装置,プリンタをケーブル接続して使用する.一体型パソコンやタワー型パソコンも広い意味でデスクトップパソコンといえる.
●一体型パソコン ディスプレイと本体が一体化しているので,本体とディスプレイの接続が不要である.安価で省スペースといった特徴もある.しかし,その分,拡張性や融通性には欠ける.初心者向けの個人用端末として利用されている.
●タワー型パソコン パソコンの本体が縦長タイプのパソコンをいう.タワー型の特徴は,通常の本体が横長タイプのデスクトップよりも内部空間が広いため,拡張スロットが多く拡張性が高い点である.最近では,ディスプレイの大型化に伴い,机上を広く使うために,本体を机の下に置き,机上にはディスプレイとキーボード,マウスのみを置くタワー型が増えている.通常,本体の高さが45cm前後のものをミニタワー,60cm前後のものをフルタワー,その中間をミドルタワーと呼ぶ.
図1 一体型パソコン(富士通資料より)
図2 タワー型パソコン(日本電気資料より)
●ノートパソコン,本体とディスプレイ,キーボード,ハードディスク装置やフロッピーディスク装置などの補助記憶装置を一体化し,AC電源でもバッテリーでも利用可能な携帯型パソコンをいう.大きさはA4またはB5サイズ,厚さが20〜50mm,重量が1.2〜3.5kgが標準的である.
PCl
Peripneral Component Interconnect
:拡張スロットの標準的なバス規格,バスの幅は32ビット.TFT液晶
PDA
Personal Digital Assistants
:個人向け携帯用情報機器の総称
以前はデスクトップ型より,高価で性能も劣っていたが,最近ではほとんど差はなくなり,PCカードスロットにCardBusが使用されるようになったことでPCI並の拡張も可能になった.だだし,CRTに比べると液晶画面の品質にまだ少し難がある.TFT液晶を採用し,CRT並の画質を求めるとなると高価になる.
モバイルコンピュティング
いつ,どこにいてもオフィスにいるときと同じようにパソコンが利用できる環境をいう.そのためには,@小型軽量で持ち運びができる,A電話回線や携帯電話やPHSによる無線を使ってどこからでも情報交換ができるという二つの条件を備えていなければならない.このような機能を有したノートパソコンやPDAをモバイルコンピュ一夕という.
最近ではモバイル系の通信環境が進歩し,1997年には携帯電話で28.8kbps,PHSが32kbpsの無線通信が行えるようになった.
また,PDA用のOSとしてWindowsCEも同年,日本語版2,0が登場し,PDAも汎用性を増し,家電やさまざまな通信機器との適用が可能になった.
図3 ノートパソコンISONY文科より)
図4 PDA(CASIO資料より)
グラフィックスワークステーション
GWS.Graphics Workstation
グラフィックスワークステーション
高度な3Dグラフィックスなどの画像処理には膨大な計算処理が必要であり,これを高速処理するためには通常のマルチメディアパソコンでは現状としてまだ難しい.そこで,3Dグラフィックスでは欠かせない座標変換やシェーディング(陰線消去),レイトレーシングなどの画像処理を高速に行うためにグラフィック処理専用の回路を組み込んだエンジニアリングワークステーションを,特にグラフィックスワークステーションといり.
UNIXをOSとしたSG1社のグラフィックスワークステーションが有名だが,最近では高機能で低価格なグラフィックアクセラレータの登場により,WindowsNTをOSとしたグラフィックスワークステーションも普及してきた.
図5グラフィックスワークステーション
図6標準的なマルチメディアパソコンの仕様
関連知識
●マルチメディアパソコン 明確な定義は特にないが,通常,音源とCD-ROMドライブを搭載し,高解像度の表示機能,動画再生機能をもち,音,画像,動画といったマルチメディアデータを自由に扱うことのできるCPU,メモリ容量,ハードディスクを備えたパソコンをいう.そういった意味では,最近のパソコンは,ほとんどがマルチメディアパソコンといってよい.
練習問題
図のa.〜d.にそれぞれ関連の深い用語を解答群Aから,記述を解答群Bから選べ.
さらにその用語と最も関連のある
(富士通資料より)
b.
(富士通資料より)
C.
(CASIO資料より〕
d.
(日立資料より)
〈解答群A〉
ア.一体型パソコン
イ.タワー型パソコン
ウ.ノートパソコン
エ.PDA
〈解答群B〉
(i)個人向け携帯情報端末.ポケットサイズで軽量であるため,持ち運びが可能.マルチメディア機能,通信機能を備えている.
(ii)本体とディスプレイの接続が不要.低コスト,省スペースが特徴.拡張性が低く,一般初心者向け.
(iii)パソコン本体の形状が横よりも縦に長いタイプ.本体内部が広いので拡張ベイなどを多く確保することができる.
(iv)A4,B5サイズが主流液晶ディスプレイを使い,バッテリーによる駆動が可能.小型軽量ではあるが常に携帯するには負担が大きい.
CPU
Central Prrocessing Unit:中央処理装置
マイクロプロセッサ32ビットCPU
CPU
パソコンの中枢部で,入力装置を制御してデータを受け取り,そのデータに演算・加工などの処理を加える.そして,その結果をメモリに保存したり,出力装置に出力するというパソコンシステム全体をコントロールする装置をいう.パソコンの処理能力はこのCPUの性能に大きく影響する.CPUは一つの半導体にまとめたマイクロプロセッサで,32ビットCPUが主流である.
図1 CPUプロセッサ(インテル資料より)
クロック
Hzヘルツ
Pentium
CPUはクロックといりタイミング信号に合わせてデータ処理が行われる.したがって,クロック周波数が高いほどCPUの処理能力は速い.クロック周波数はHz(ヘルツ)で表す.
CPUを動作させる周波数を内部クロックというのに対して,CPUが周辺装置など外部とやり取りする周波数を外部クロックという.外部クロックはソケットなど周辺機器の仕様の関係であまり高速にできないため,CPU内部でそのクロック数を数倍に上げ,高速化を図っている.CPUの処理能力はこの内部クロック数が指標となっている.
代表的なCPUには次のようなものがある.
◆Pentium 93年に米インテルが開発した32ビットCPUで,この後継CPUとして95年に出荷されたPentium Pro,Pentiumにマルチメディア専用機能を追加したMMX Pentium,PentiumProにマルチメディア専用機能を追加したPentiumIIがある.クロック周波数は現在,200〜400MHzが主流である.PowerPC◆PowerPC IBM,Apple社,MOTOROLA社の3社が共同開発した
ROM
Read Only Memory
RAM
Random Access Memory
DRAM
Dynamic RAM
キャッシュメモリ
:CPUとメインメモリーとのアクセスをより高速にするための記憶装置
SRAM
Static RAM
EDODRAM
Extended Data Out DRAM
32ビットCPUで,93年にApple社のパソコン,Macintoshに搭載した.Pentiumより小型,発熱量が少なく安価.クロック周波数は現在,200〜350MHzが主流である.メインメモリ
CPUで実行中のプログラムやデータを格納する場所.電源を切っても記録内容が消されない読出し専用のROMと,自由に読出しや書込みができるRAMによって構成されている.システムプログラムなどはROM,マルチメディアデータなどはRAMに記憶される.通常,記憶密度が高く安価なDRAMがメインメモリに使われているが,キャッシュメモリなど高速性が要求されるところには記憶密度は低いが高速なSRAMが使われている.最近ではDRAMでも,連続データの読出し速度を高速にさせるEDO DRAMやクロックに同期させるシンクロナスDRAMなどの登場によりメモリのアクセス効率は向上している.
現在,パソコン用のメインメモリには,メモリモジュール形状のSIMMやDIMMが多く利用されている.デスクトップパソコンには2枚1組で使用するSIMM,ノートパソコンには1枚単位で利用できるDIMMが通常使われている.
シンクロナス DRAM
SIMM
Single ln-line Memory Module
DIMM
Dual Inline Memory Module
図2 SIMMのメモリ(2枚1組で増設)
グラフィックスアクセラレータVRAMVideo RAM
グラフィックスボード
パソコンの画面表示を行うための拡張ボードでグラフィックスアクセラレータとVRAMで構成されている.ビデオボートとも呼ばれる.最近のマルチメディアパソコンには標準装備されていることが多い.
◆グラフィックスアクセラレータ フルカラー,MPEGなどの動画,3Dグラフィックなどの表示を高速化するためのハードウェアをいう.通常,1チップのLSIで提供されている.これを搭載することによってCPU上で描画処理を行う必要がなくなり,CPUの負荷は軽減され,全体の処理速度は向上する.
2Dアクセラレータはラインの描画速度(ベクター/秒),3Dアクセラレータはポリゴンの描画速度(ポリゴン/秒)で性能を表す.
◆VRAM ディスプレイに表示する文字や画像データを記憶しておくためのRAMで,グラフィックスメモリとも呼ばれる.画面上のすべての点(ドット)を記憶しているので,このメモリ上に書かれたイメージμ3一
ピデオキャフチャーボード
サウンドボード
Sound Blaster
:Windows用の代表的なサウンドボード
がそのままディスプレイに表示される.通常,2MB以上搭載していることが多い.ビテオキヤプチヤーボード
ビデオ信号をディジタルの動画データに変換するための拡張ボードをいう.VHSや8ミリビデオの場合,アナログ信号をディジタル信号に変換しなければならないが,ディジタルビデオではディジタルデータのままパソコンに取り込むことができる
.AVIファイル形式,Quick Time形式,MPEG形式,モーションJPEG方式といった保存形式が広く使われている.
取り込んだビデオデータの品質は色数,解像度,1秒間のフレーム数で決まる.色数が多く,解像度が高ければ画質が良く,フレーム数が多いと動きが滑らかになる.フルカラー(1677万色),フルスクリーン(640×480),フルモーション(30フレーム/秒)でビデオ並の品質が得られる.
サウンドボード
パソコンでのサウンドの録音・再生機能を向上させるための拡張ボードをいう.最近のパソコンにはサウンドボードを標準装備していることが多い.FM音源,PCM音源,MIDIインタフェース,CD-ROMインタフェース,オーディオアンプのほか,サウンド出力用コネクタやマイク入力端子が装備されている.
現在,Creative Labs社のSound Blasterとその互換製品が主流である.
図3 SoundB1aster (Creative Labs社資料より)
練習問題
次の文章はパソコン本体の特徴や仕様を説明している.それぞれの文章に最も適する語句を解答群から選べ.ただし,同じ語句を2回以上用いてもよし・.
a.テレビやビデオからの動画をパソコン上に入力することができ,ディジタルデータとして保存することができる.
b.パソコンのディスプレイ画面に表示する文字や画像データを蓄えておく専用のメモリ.
C.計算などデータ処理や入出力などの全体をコントロールする装置.クロック周波数が高くなると一般にこの処理能力は高くなる.
d.MIDIインタフェースやPCM機能があり,ディジタルデータの録音・再生ができる.
e.コンピュータを動かすための基本的なプログラムが記録されていて,電源を切っても記録内容が消えない読み出し専用メモリ.
f.この装置の代表的ものにPentium,PowerPCがある.
g.画像描画を高速化するための周辺機器その性能は一般的にラインの描画速度やポリゴンの描画速度で表す.
〈解答群〉
ア.グラフィックスアクセラレータ
イ.サウンドボード
ウ.ビデオキャプチャーボードエ.VRAMオ.ROMカ.CPU
◆知識を広げようマザーボード=パソコンを構成する基本的な部品が組み込んである基盤という.メモり一を増設するためのソケットやHDDの接続部もある.CPU,メインメモリ,グラフィックスボード,ビデオキャプチャーボード,サウンドボードなどもこのマザーボードに組み込まれている.
マザーボード
文字や画像データを入力するためのデバイスは多種多様である。本節では、それぞれの用途と特徴を解説する。特にスキャナやディジタルカメラの画像入力デバイスに関する出題頻度が高いので確実にマスターしよう。
デバイス:補助的に使う装置のこと.マウス
タフレット
ボインティンクテバイス
ディスプレイなどの表示画面の位置をデータとして入力する装置で,画面上のメニューやアイコンの選択,さらには図形を描くときに使われる.
■マウス 操作面(机上)を移動させ,ボールの回転方向,回転角によってカーソルの位置を移動させる.操作性がよく,メニューやアイコン選択に使われる.ただし,相対位置を示すため図形を描くのにはあまり向かない.
●タブレット テーブルと呼ばれる板上に図面や写真を貼りつけ,専用のペン(スタイラスペン)でなぞることによって,その絶対位置を読み取る装置で,図形を描くときに便利.
、
図1 マウス
〉
図2 タブレット(WACOM資料より)
タッチパネル
トラックボール
ジョイスティック
●タッチパネル ディスプレイ上に透明な抵抗膜を重ねた装置で,画面をさわるとそこに圧電効果が生じ,変化した電流から位置情報を検出する.銀行の現金自動支払機や観光案内システムなどに利用されている.
■トラックボール マウスと原理は同じで,マウスを裏返した形状をしている.マウス操作にはある程度のスペースが必要だが,トラックボールではボールを手で回転させるため,操作するスペースを必要としない.ノートパソコンに標準でつけられていることが多い.
■ジョイスティック 一本のレバーをある方向に倒すことによって,その倒れた方向,角度から位置を検出する装置をいう.ゲーム機でなじみが深いが,CADやCGの入力装置として使われることも多い.
図3 トラックボール(松下電器産業資料より)
図4 ジョイスティック(Microsoft社資料より)
画像入力テバイス
絵や写真などの画像データを直接読み取り,符号化して記録する装置をいう.入力された画像データは膨大な量となるので通常,圧縮して保存している.
◆イメージスキャナ 絵や写真などの画像データを小さな画素単位に分解してデータ化する.スキャナの中心部にはCCDセンサがあり,原理的にはファクシミリと同じで,読み取りはRGB各8階調のカラーのものが一般的である.光学的に走査(スキャン)し,その反射率と透過率の強度を測定して,それを
A/D(アナログ/ディジタル)変換して入力する.読み取り解像度は300〜1200dpi程度.
イメージスキャナには読み取り形態により次の三つのタイプがある.
(i)フラットベット型 複写機と同様にガラス板の上に画像データをのせ,読み取る.高精度な入力が可能である.
(ii)ハンディ型 軽量で持ち運びが可能で,本や雑誌などの画像データを手軽に読み取る.一般的に読み取りは手動式のため,入力はやや不安定で精度もさほど高くない.
(iii)シートフィーダ型 A4程度の書類や原稿をシートフィーダにのせ,自走により読み取る.入力は安定しており,解像度は高い.フラットベット型に比べ,縦型設計のため場所を取らない.また,この他に35mmの写真フィルムやスライドの画像データを読み
取るフィルムスキャナがある.これは,通常1000〜3000dpiとほかのスキャナと比べて解像度は高い.
◆ディジタルカメラ 撮った画像データは即座にディジタル画像データに変換し,保存できる.また,カメラの液晶ビューアでその場で画像を確認でき,失敗した画像や入らなくなった画像は簡単に消去することもできる.データの記録方法は,内蔵メモリを用いるタイプとPCカードを用いるものがある.ディジタルカメラからパソコンヘの画像データの転送は
イメージスキャナ
CCD
Charge Coupled Device
:電荷結合素子
RGB
Red Green Blue
:赤,緑,青の光の3原色のこと解像度表示や印字のきめ細かさを示す尺度
dpi
dots per inch
:1インチ当りのドット数
ディジタルカメラ
図5 フラットベット型
図6 ハンディ型
図7 シートフィーダ型
図8 フィルムスキャナ
一般的にケーブルや赤外線を使ったシリアル伝送で行われる.しかし,ノートパソコンのようにPCカードスロットをもつ場合,PCカードから直接画像データを読み取ることができる.
ディジタルカメラの画像サイズは,一般的に640×480画素だが1280×1024画素の高画質なものもある.画像データの記録形式はほとんどJPEG形式なので,読み取ったデータは特に変換することなく使うことができる.
図9 ディジタルカメラ(SONY資料より)
練習問題
次の1,2の文章は入力デバイスについて述べたものである.□を埋める適当な語句を解答群から選べ.
1 ポインティングデバイスは,ディスプレイ画面上にある位置を入力する装置である.[a.]は底面に埋め込んだボールを回転させることにより移動方向や距離を入力するもので,メニューやアイコンの選択に広く一般に利用されている.[b.]は画面を直接指で押さえて入力するもので銀行のATMなどの専用端末によく使われている.[c.]は地図や図形などの精密なテークを入力するときによく使われ,専用プレート上の図形を専用ペンでなぞることでその座標を入力する.
2 画像入力テバイスの代表的なものに[d.]と[e.]がある.画像データはデータ量が大きいので通常[f.]方式で圧縮して保存する.[d.]はコンピュータがなくても画像をその場で保存できるため,旅先の風景など手軽に記録できる.[e.]は紙などに描かれた絵や写真など平面的な対象物の上を走査することでデータを読み取るものである.複写機のようにガラス板上に対象物をおいて走査する[g.]型や手で本体を持ち手動で走査する[h.]型などがある.
<解答群〉
ア.スキャナ
イ.マウス
ウ.ディジタルカメラ
エ.タブレット
オ.タッチパネル
カ.トラックボール
キ.ハンディ
ク.フラットベット
ケ.シートフィーダコ.CCDサ.MPEGシ.JPEG
◆知識を広げよう対話デバイス:コンピュータとユーザが,あたかも会話をしているかのように処理を行う装置を対話デバイスという.通常,キーボードやマウスを使ってチータや作業手順を入力し,その結果をディスプレイに出力することによって会話のやり取りを行う.最近では,マイクを通して直接人間の声を認識させ入力する音声入力や記憶してある音声とそれらの組み合わせや合成によって出力する音声応答も対話テバイスとして利用されている.
図5 液晶ディスプレイ
図6 プロジェクタ
STN
Super Twisted Nematic
TFT
Tnin Film Transistor
DSTN
Dual-Scan Super Twisted Nematic
プラズマディスプレイプロジェクタ
ソフトコピーハードコピー
ユーサー(マンマシン)インタフェース
PostScript
スキャンコンバータ
●プラズマディスプレイ プラズマの発光する性質を利用したディスプレイで,表示速度は速く,視野角度も広い,しかし,カラー表現が弱い,液晶より消費電力が大きいという難点がある.大型業務用のディスプレイや壁掛けテレビ用としての用途が主流.
◆プロジェクタ 大型スクリーンに画像を投影させ表示する装置で,多人数を対象にプレゼンテーションする場合に使われる.最近ではパソコンからも直接接続でき,コンパクトで低価格になった.ただし,まだあまり明るい場所では投影画像が見にくく,ある程度の暗さを必要とするという難点がある.
関連知識
◆ソフトコピー/ハードコピー ディスプレイに表示された文字や画像などを一時的に記憶しておくことをソフトコピー,プりンタなどを使って紙やフィルムなどに印刷することをハードコピーという.
●ユーザ(マンマシン)インタフェースユーザとコンピュータとのやり取りを円滑にするための装置やしくみを称してユーザインタフェース,またはマンマシンインタフェースと呼ぶ.一般に,マウスやディスプレイなどの入出力デバイスの使用法,プロンプト,メニュー,アイコンなど画面表示方式によるユーザとの対話形式をいう.
◆Post Script Adobe ystem社が開発した文書をページ単位で処理するページ記述言語で,世界標準となっている.文字,表,画像をプリンタの解像度に関係なく高品位に出力することができる.レーザプリンタなどに利用されている.
●スキャンコンバータディスプレイの走査周波数を変換する装置で,テレビなどパソコンの走査周波数に対応していないディスプレイを利用する場合,入力信号を調整して受像機に送り,表示可能にする.
ドットインパクトプリンタ
ドット
:図形や文字を構成する小さな点.通常,1文字の構成は16ドット,24ドット,48ドットである.
ORTディスプレイ
Catnode Rey-Tube Display
ラスタスキャン方式
:ディスプレイ装置で画像を点の集合として表示する方式
マルチスキャン・ディスプレイ
液晶ディスプレイ
LCD
Liquid Cry-stal Display
■ドットインパクトプリンタ 文字や図形をドットの集まりとして捉え,印字ヘッドの細かいピンでインクリボンをたたいて印字する.カーボン紙をはさんだ複写伝票などは一度に印字できるという特徴をもつが,印刷騒音や印字スピードの遅さから最近はあまり使われなくなった.
ディスプレイ
現在最も利用される表示装置で,表示方式の違いによって,次のようなタイプがある.
◆CRTディスプレイ CRTはほとんど通常のテレビと同じブラウン管を使用したラスタスキャン方式を採用している.これは電子ビームを高速に画面の左上から右下に向かって水平方向に走査(スキャン)し,残像効果を利用し画像を表示するものである.走査方法には,すべての走査線を順に描画するノンインタレース方式と走査線を1本ずつ飛ばして2回の垂直走査で1画面を描画するインタレース方式がある.インタレース方式のほうが画面のリフレッシュ回数が少ない分,画面のちらつき(フリッカ)が多く,目が疲れやすい.現在は,ノンインタレース方式が多く使用されている.
図4
ノンインタレースによる表示方式
図3 CRTディスプレイ
VGA
VideoGraphics Array
SVGA
Super Video Graphics Array
XGA
eXtenede Gracphics Array
SXGA
Super eXtended Graphics Array
◆マルチスキャン・ディスプレイ 表示解像度はVGAの640×480ドットが一般的であったが,最近ではより高解像度なSVGAの800×600ドット,XGAの1024×768ドット,SXGAの1280×1024ドットがよく利用されるようになった.これらの解像度に一つのCRTディスプレイで対応できるものをマルチスキャン・ディスプレイという.
●液晶ディスプレイ 液晶に電圧をかけると分子の配列が変化する特性を利用したディスプレイで,CRTディスプレイに比べ,省スペース,省電力が特徴.ノートパソコンや携帯端末,最近ではディスクトップパソコンにも利用されている.液晶ディスプレイにはSTN方式とTFT方式があるが,TFT方式の方が画質に優れているため,見やすく,応答速度も速い.STN方式では,画質向上を図るため,液晶パネルを上下に2分割し,走査線の数を倍にしたDSTNが広く使われている.
ここがポイント!
代表的な出力デバイスにはプリンタとディスプレイがある.この分野の出題はそれらのデバイスの特徴を押さえておけば十分解ける問題が多い.確実に点を取れるところなので失点することのないようにしよう.
インクジェットプリンタCMYK
レーザプリンタ
熱転写式プリンタ
感熱式プリンタ
プリンタ
プリンタには印字方式の違いによって,次のようなタイプがある.
◆インクジェットプリンタ CMYKの4色のカラーインクを使い,ノズルから噴射するそれぞれのインクの濃度を調節して印刷を行う.解像度も高く,カラー印刷ができ,低価格なのて最近のパソコンに多く利用されている.ただし,耐水性にやや欠けるという難点もある.
■レーザプリンタ コピー機のようにレーザ光を使い,感光させたドラムにトナーを付着させ印刷する.文書や画像をページ単位で印刷するため,印字速度が速い.解像度は通常300〜600dpiであるが1200dpiといった高画質のものもある.これまで,業務用として使用されることが多かったが,最近では低価格になり個人ユーザにも利用されている.ただし,まだモノクロが主流である.
◆熱転写式プリンタ インクリボンに発熱ヘッドを押しあてて,インクを溶かし用紙に印字する.カラー印字も可能.普通紙でも印字できるが,インクリボンの再利用が難しいため,インクリボンのランニングコストがインクジェットプリンタに比べると高く,印字速度もやや遅い.
■感熱式プリンタ インクリボンを使用せず,熱を加えると発色する感熱紙に発熱ヘッドを押しあてて印字する.インクリボンがいらない反面,専用の感熱紙が必要.また,感熱紙は時間が経つと変色するため長期保存には向かない.ワープロ専用機に利用されていたが,最近は少なくなった.
図1 インクジェットプリンタ(EPSON資料より)
図2 レーザプリンタ(Canon資料より)
練習問題
次の1,2の文章は出力デバイスについて述べたものである.口を埋める適当な語句をの解答群より選べ.
■従来はパソコンの代表的なプリンタとしてインクリボンをたたいて印字する[a.]プリンタが使われていたが,最近ではノイズから紙にインクを吹きつけて印刷する[b.]プリンクやコピー機のように文字や画像をページ単位で印刷する[c.]プリンタのような[d.]型のプリンタが標準的なプリンタとなった.[b.]は一般に[e.]の4色のインクを使用してカラー印刷を行っている.[c.]には高品質な出力をするために[f.]というページ記述言語が一般的に利用されている.
<解答群〉
ア.熱転写式
イ.感熱式
ウ.インクジェット
エ.レーザ
オ.ドットインパクト
カ.ノンインパクト
キ.インタフェースク.ポストスクリプトケ.八ードコピーコ.RGBサ.CMYKシ.VGA
2[g.]ディスプレイは電子ビームを上から下へ順に走査する.走査線を1本ずつ飛ばして走査する[h.]スキャンよりもすべての走査線を順に走査する[i.]スキャンの方が[j.]が少なく目が疲れない.ノートパソコンや携帯端末などには薄型,省スペースを特徴としたDSTN[k.]ディスプレイやTFT[k.]ディスプレイが使われている.プレゼンテーションなどでパソコンの画面を大きく映し出すためには[l.]を使ってスクリーンに投影させるか,[m.]を使って既存の大型テレビモニタに映し出す方法がある.
〈解答群〉
ア.フリッカ
イ.スキャンコンバータ
ウ.プロジェクタ
エ.液晶オ.プラズマカ.CRTキ.インタレースク.ノンインタレース
ここがポイント!
パソコンで利用されているインタフェースにはいくつもの種類があるパソコン本体とどの周辺機器を接続するときには何が使われるのかしつかり把握しておこう.また,コネクタの形状もそれぞれ違うので区別できるようにしておこう.
バス
PCl
Peripheral Component Innteroonnect
ISA
Industry Standard Architecture
シリアルインタフェース
RS232C
Reoommended Standard 232C
バス
パソコンの内部や外部の周辺機器の間で命令やデータを送受信するための伝送路.バスの種類としては,CPU内部を結ぶ内部バス,CPUと入出力装置や記憶装置などの装置間を結ぶ外部バス,パソコン本体と周辺装置間を接続するための拡張ボードを結ぶ拡張バスがある.
バスは伝送データ幅によって16ビットバスと32ビットバスに分けられる.バス幅が大きいほど処理速度は高速になる.現在,32ビットバスが主流である,代表的な拡張バスには次のものがある.
◆PCIバス 米インテルが提唱した現在,最も普及している32ビットバス.最大データ転送速度は133MB/秒.高速なデータ転送が要求されるグラフィックスボード,ネットワークボード,SCSIボードなどに広く使われている.
◆ISAバス DOS/Vパソコンで標準的に使われている16ビットバス.最大転送速度は4MB/秒.16ビットCPUの80286を前提に設計されたもので,最近のパソコンではPCIバスが利用されるケースが多い.
シリアルインタフェース
1本のデータ線で順次1ビットずつ送るデータ転送方式.データ線どうしの同期がいらないため,長距離伝送に向いている.代表的なシリアルインタフェースには次のものがある.
■RS232C 1968年にEIA(米国電子工業会)が制定したインタフェース規格.パソコンとモデムなどあまり速度が要求されない周辺機器との接続に使われる.最大データ転送速度は115.2kbps.最大伝送距離は15m.コネクタの形状にはD-sub9ピンと25ピンが多く使用されている.
図1 RS232Cの接続形態
USBUniversal Seria
l Bus
◆USB 1996年にInte1社,Microsoft社など7社が共同で制定した次世代インタフェース規格.マウスやキーボード,ジョイスティック,プリンタ,モデムなどを一つのインタフェースで接続できる.Win・dows98では標準サポートされており,最新パソコンにはUSBコネクタが装備されている.最大127台の周辺機器をツリー上に接続できること,最大データ転送速度が12Mbpsと高速なこと,パソコンの電源を入れたままコネクタに機器を接続できることが特徴である.
図2 USBの接続形態
IEEE1394
Institute of Electrical and Electoronics Engineers1394
◎IEEE1394 1995年にIEEE(米国電気電子技術者協会)が制定した次世代インタフェース規格.転送速度が100Mbps,200Mbps,400Mbpsの3種類ある.高速であるため,音や動画像データをリアルタイム伝送できるのでマルチメディアデータ用インタフェースとしての期待が大きい.最大63台までの接続が可能である.
図3 1EEE1394の接続形態
パラレルインタフェース
SCSl
Small Computer System Interface
パラレルインタフエース
同時に複数のデータ線を用いて数ビットまとめて送るデータ転送方式.高速転送が可能であるが,ケーブルが長くなるとデータ信号の同期にずれが生じるため,長距離転送にはあまり向かない.代表的なシリアルインタフェースには次のものがある.
◎SCSI 1986年にANSI(米国規格協会)が制定したパソコンとハードディスク,MOドライブ,CD-ROMドライブなどの周辺機器接続す
るための標準インタフェース.バス幅は標準で8ビット,最大データ転送速度が5MB/秒.1台のパソコンと最大7台の周辺機器を数珠つなぎできる.
その後,定められたSCSI-2にはバス幅8ビット,最大データ転送速度が10MB/秒のFastSCSIやバス幅が16ビット,最大データ転送速度が20MB/秒のWideSCSIがある.
また,現在主流になりつつあるSCSI-3にはバス幅8ビット,最大データ転送速度が20MB/秒のSCSIFast-20やバス幅が16ビット,最大データ転送速度が40MB/秒SCSIFast-40がある.
図4 SCSIの接続形態
lDE
lntegrated Devioe Electronics
PCカード
Personal Computer Card
PCMCIA
Personal Computer Memory Cord International Association
:PCカードの標準化のために設立された米国の任意団体.
◎IDE パソコンとハードディスクを接続するためのインタフェース.内蔵タイプのハードディスクに使われることが多い.データの転送速度は8.3MB.ハードディスク2台まで接続可能.しかし,ハードディスクの最大容量が528MBまでという制限がある.
PCカード
1995年に米国のPCMCIAとJEIDA(日本電子工業振興協会)が共同で制定したパソコン用のカード周辺機器の規格.現在ではほとんどのノートパソコンがPCカード用のスロットを装備している.PDAやデスクトップ型パソコンにもPCカード用スロットを装備したものがある.大きさは85.6mm×54mmのクレジットカードサイズ,厚さは表1のタイプ1からIIIまでの三つのタイプがある.
図5 PCカード
表1 PCカードのタイプ
練習問題
次の文章はパソコンで利用されるインタフェースについて述べたものである.図のa.〜d.にそれぞれ関連の深い用語を解答群Aから,さらにその用語と最も関連のある記述を解答群Bから選べ.
a.
HDD,CD-ROMドライブ,MOドライブなどに使用する
b.
プリンタ,ディジタルカメラ,スキャナ,キーボード,マウス,ジョイスティックなどに使用する
c.
モデム,TA,ディジタルカメラなどに使用する
d.デイジタルビデオ力メラなどに使用する
〈出典〉 日経BP社,「テジタル大事典1998年度版」
〈解答群A〉
ア.IEEE1394
イ.RS232C
ウ.SCSI
エ.USB
〈解答群B〉
(i)古くから多くのパソコンで使われているシリアルインタフェースだが,低速であることから,最近ではパソコンとモテムやディジタルカメラなどあまり速度が要求されない機器との接続に使われることが多くなった.
(ii)ハードディスクやMOなど7台の周辺機器をつなげることができるパラレルインタフェース.現在,周辺機器接続によく使われている.
(iii)パソコンと周辺機器の接続だけでなく,ビデオカメラやオーディオ製品なども対象としている.最大63台まで接続が可能で高速.次世代インタフェースとして期待されるシリアルインタフェース.
(iv)マウスやキーボード,ジョイスティック,プリンタ,モデムなどハブを介して最大127台接続できるシリアルインタフェース.パソコンの電源を入れたままコネクタに接続できるのが特徴.