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文書構造とLaTeX

mizutani@rsch.tuis.ac.jp
参考書『インターネット時代のコンピュータリテラシー』(水谷正大,共立出版)
目次
表題の出力
目次の出力
LaTeXの文書構造
LaTeX文書構造のスケルトン
LaTeX文書の例

目次

表題の出力

LaTeXシステムでは表題(title) 出力のためのタグがある. 文書スタイルjarticleを使ったときの表題に関係したコマンドは次のとおり.
\title{..}
表題そのものを指定
\author{..}
著者を指定
\date{..}
日付を指定
\maketitle
表題を出力(必須)

この4つのコマンド\title{..}, \author{..}, \date{..} および \verb|\maketitle| は1組になって表題部を構成する. たとえば,つぎのように書く.

\documentclass{jarticle}
\title{サルかに合戦顛末記} % 文書のタイトル
\author{キジ太郎} % 著者
\date{昔々} % 日付
\begin{document} % ここから文書内容が始まる
\maketitle % 表題の出力
.... % 本文を書く
\end{document} % これでお終い

表題については次の点に留意する.

文書にはできるだけ表題をつけるように心掛ける. 表題コマンドを利用すると明示的タグがつくので文書処理の際にも重宝する. 表題を出力しない場合にはコマンド\maketitleをコメントアウトにすればいいだけである. 仮に表題部を記載しない文書であっても,適当な文書の表題を考えて,それらをコメント記号%を使って記入してメモしておくとよい. また,訂正箇所もコメントとして保存しておくことも場合によっては大切な資料となることがある.

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目次の出力

LaTeXシステムには,文の論理構造を指定する論理タグの情報に基づき見出しが登場するページ数を対応させて,自動的に目次(contents)を作成する機能がある.

文構造タグをつかうと,印刷出力の際にLaTeXシステムは文構造で指定した見出しに自動的に通し番号をつける. この見出し番号は,論理タグの階層構造を反映するように,ピリオドで区切られた数字の並びとして表示される. 編集の際に文章を入れ換えることによって文構造タグが差し替えられたときでも,見出し番号の付替えはLaTeXシステムが管理してくれるので,作成者は文章の構成だけに専念しながら文を組み立てればいい.

目次を出力するときは,目次を出力したい場所(通常は\begin{document}の次の行)に1行

\tableofcontents

と書くだけ. \tableofcontentsは目次を作成するためのLaTeXコマンドである.

目次の入った文書を印刷出力するためには,最低2回文書ファイルをコンパイルしなければならない.

文書ファイルをLaTeXシステムに最初に入力すると,システムは文書ファイルから文構造タグにある見出し情報を取り出し,これを目次情報とした拡張子『{\tt .toc』のついた目次ファイルを作成する. この段階でできるDVIファイルには目次情報は含まれていない. もう1度文書ファイルをLaTeXシステムに入力すると,この目次ファイルを読み込んで目次出力のための情報も取り込んだDVIファイルができ上がる. したがって,目次を出力するにはLaTeXファイルを最低2回はコンパイルしなければならない. 文章構造を変更した場合も同じく2回以上の処理が必要.

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LaTeXの文書構造

LaTeXは文章の論理構造を指定するだけで、指定した文書スタイルで最高の印刷出力を得ることができる.

jarticleで指定される論文スタイルの文書構造は,次のような文構造としての階層構造を持つことができる.

doc structure

jarticle文書の文章構造には大きな構造から順に次の構造単位を持つ.

が最上位の文構造単位であり,それから下位に向かって

に分割することができ,さらに細かく(ほとんど使わないが)

LaTeX文書では,これらの構造単位に見出しをつけ,さらにそれらを『目次』化したものを眺めれば、大量の文書であっても文書全体の様子をつかむことができる(LaTeXでは簡単に目次を作成することができます).

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LaTeX文書のスケルトン

(jarticleを指定した)LaTeX文書の一般構造は次のようになる.

% 「%」 から行末までの文はコメントとなる 
% 1st Apr. 1996 修正 作成した日付をいれる
% 文書の目的なども記載しておくとよい
\documentclass{jarticle} % jarticle スタイルの指定
\title{文書タイトル}
\author{著者}
\date{日付}
\begin{document} % これ以下が本文の始まり
\maketitle
\tableofcontents % 目次作成命令
..... 文書全体の概要を記述する
....
\section{節につける題名}
節の内容を書く.いくら長くても短くてもよい
次の \section{..}が現れるまでの文がこの節に属する
\subsection{項の題名}
必要なら副節をつけることもできる.
\subsection{..}は直前の\sectionの下位に属する
\subsubsection{目の題名}
\subsubsection{..}は直前の\subsectionの下位に属する
\section{節につける題名}
ここから新たな節がはじまる.節につけられる番号は \section{..}が 登場してくる順番に自動的にふられる .......
\subsection{副節につける題名}
......
\subsubsection{副々節につける題名}
.........
\section{節につける題名}
以下,同様に文を書いていきます.
........
........
\end{document}

LaTeX文書は,このようにして文書としての文構造をマークすることによって最高度に美しい整形出力を実現するシステムである. 誰にでも読みやすく分かりやすい文章を書くための基本は,

ながら文章を作成し, 文書を完成することである.

文書作成支援システムとしてLaTeX文書の特性を利用しながら文書を書くことは,的確な表現力を身につけるための有効な訓練の1つとなる.

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LaTeX文書の例

LaTeXでは,(まず文章をエディタで書いておき)節、小節などの文章の論理構造を考えながら適時\section{...}や\subsection{...}を見出しとともに挿入しながら、文の論理構成を定めていく. 次の例を見てみよう.
\documentstyle{jarticle}
\begin{document}
\title{文章の論理構造}
\author{アリストテレス}
\date{1995年6月10日}
\maketitle
\tableofcontents

\section{これが}
いま説明したように
\subsection{最も短い}
文章の
\subsubsection{例です}
アラよっと.
\section{皆さんも}
レポートや論文作成に
\section{利用してくね}
便利でしょ.
\end{document}

preview この内容で1回コンパイルして得られたDVIファイルのプレビューは左図のようになる.

この例のように\tableofcontentsを記入しておくと、LaTeX文書の1回目のコンパイル後に拡張子『.TOE』のある目次情報ファイルができる(ファイルの一覧コマンドlsで確かめてみよ).

プレビューすると\tableofcontentsがある箇所に『目次』とだけ表示される.

preview そこで,もう1度コンパイルすると(合計2回),LaTeXシステムは目次情報ファイルを読み込んで\tableofcontentsの箇所に目次を挿入してくれる. つまり目次を表示するには最低2回 コンパイルすることが必要. こうしてできたDVIファイルのプレビューは右図のようになる.

この例からもわかるように,LaTeXでは次のことが自動化されている.

LaTeX では、文章の変更や削除・追加によって通し番号の整合性を調節する 必要はなく,全てシステム側がカウントしてうまく調整してくれる.

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