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LaTeX入門

文書整形システムについて

mizutani@rsch.tuis.ac.jp
参考書『インターネット時代のコンピュータリテラシー』(水谷正大,共立出版)
目次
文書作成と整形出力の必要性
文書整形出力の2つ方法:WYSIWYG と Markup
TeX ファミリーと出版
TeX(LaTeX)システムの特徴

文書作成と整形出力の必要性

文書を作成するには,原稿用紙など紙の媒体にペンで書くよりも,コンピュータ (のエディタ)で作成する方が効率的であるばかりか多くの利点があります(一方,その弊害も指摘されていることも知っておくべきでしょう). ともあれ,この電子時代にはエディタ機能の徹底した習熟は,文書作成能力を大きく左右することになります.

文書作成にコンピュータを使う最大の利点は,文書の蓄積とその再利用の容易さにあります. とくに,通常のテキストファイル形式で書かれた文章ファイルはワープロのような特別なソフトウエアを用意する必要がないためにどんなコンピュータの間でも情報を交換することができます.

単なる文字情報が詰まった文だけでは決して<分かりやすく>,<読みやすい> 文書ではありません. 身近などんな出版物にも,活字の配置には細心の注意が払われているのです. また,文章構造そのものにも出版編集者は気配りを怠りません. 電子時代のいまでも,文書情報の整形出力は重要な技法でありつづけています.

文書整形出力の2つ方法:WYSIWYG と MarkUp

文書の整形出力には,単語間の空白の調節,行の長さ制御,フォント(字形)の 切り替え,ハイフネーションなどが細かい調整が欠かせません.現在のところ,大別して2つの文書整形出力方法があります.

WYSIWYG 方式

会話形式で清書を行うシステムで,ディスプレイ上で文書の字体などを変更するとデ ィスプレイ画面上でも変更され,それは印刷されるものと同じものであるという考え方に基づいた方式で WYSIWYG(What You See Is What You Get) 形式と呼ばれています. Macintoshのワープロで実現されてきたやりかたです.

その都度,最終出力がディスプレイで確認できるという点で,WYSIWYG 方式が初心者には便利であるように思われます.しかし,手間ヒマがかかる上に本格的な製版に関る細かい制御を行うには適していませ ん.また,こうした文書ファイルは作成したソフトウエアごとに違った特殊な形式である場合が多く,そのソフトウエア環境がなければ再現できないなど限られたコミニュティでしか流通できないという欠点があります. 具体的なソフトウエア名としては,MicroSoft Word, WordPerfectや一太郎 などがあります.

会話形式で清書を行うシステムで,ディスプレイ上で文書の字体などを変更するとデ ィスプレイ画面上でも変更され,それは印刷されるものと同じものであるという考え方に基づいた方式で WYSIWYG(What You See Is What You Get) 形式と呼ばれています. Macintoshのワープロで実現されてきたやりかたです.

その都度,最終出力がディスプレイで確認できるという点で,WYSIWYG 方式が初心者には便利であるように思われます.
一方,手間ヒマがかかる上に本格的な製版に関る細かい制御を行うには適していませ ん.また,こうした文書ファイルは作成したソフトウエアごとに違った特殊な形式である場合が多く,そのソフトウエア環境がなければ再現できないなど限られたコミニュティでしか流通できないという欠点があります. 具体的なソフトウエア名としては,MicroSoft Word, WordPerfectや一太郎 などのワープロや.また本格的なDPT(Desk Top Publishing)用ではPage MakerやQuarkExpressがあります.

注意:ワープロで作成した文書を添付している電子メールを見かけることがあります.電子メールには添付ファイルは可能な限りつけないのが原則です.添付ファイルが単なる文書である場合,メールサイズが大きくなるばかりで通信ネットワーク資源を無駄にするばかりか,受け取る相手がそのファイルを開ける保証はなく迷惑な場合が少なくありません(相手のOSや通信環境は親しい人でも分からないのです).どうしても必要な場合を除き,電子メールで安易にファイルを添付するのは止めましょう.

Mark方式

テキスト文書の中に整形出力のための制御命令を書き入れ,このテキストファイルを文書整形ソフトに入力して,印刷イメージファイルを作成する方法があります. この文書整形命令はある種の言語体系をなし,それを解釈する整形システムソフトウエアにこうしたテキスト文書を入力することできめ細かい処理を一括して行うようになっています. これを MarkUp(Language) 形式と呼びます.

文書を作成している最中には,実際の印刷イメージを見ることができないという欠点もあります(マルチウィンドウシステムではイメージを見ながら作業出来ます) が,その文書自体がテキストファイルであるために,普通のテキストエディタを使って編集・修正ができることになります.

roff, SGMLTeX システムなどが代表的な整形出力システムです(その他にページ記述言語のPostScript もこうした仲間と見なしてもよいでしょう). 特に TeX は数式表現にも優れており,最高の印刷出力結果を得ることができるため,多くの出版物にも用いられています. なかでも TeX のマクロパッケージの1つである LaTeX はパソコンやWSにフリーウエアとして配布されており,もっとも広く使われている文書処理システムとなっています.

こうしたMarkup文書の仲間に,もう1つ見逃してはならないHTML(HyperText Markup Language) があります. これはWorld Wide Webプロジェクトで採用されているハイパーテキスト文書の書式です. (HTML文書作成入門を参照してください).

TeX ファミリーと出版

スタンフォード大学の D.Knuth によって開発された文書整形出力システムTeXはLamport によってマクロパッケージ化されて使いやすくなりLaTeXシステムとして広く使われています.

LaTeX は,出来上がり文章スタイル(論文形式,手書き,書籍など)を指定し,文書の論理構造だけを指定することだけで最高の整形出力を得ることができるために,もっとも実用性が高く,誰にでも使えるシステムです. TeX ファミリーにはアメリカ数学会に公式に採用されたAMS-TeX や,AMS LaTeX などがあります. また日本語文書出版目的に縦書きを可能とした LaTeX システムと高い互換性を持つpTeXやpLaTeXなどもあります.また,音楽楽譜を整形出力するMusic TeXなどもあります.

今後,電子出版の標準的方法としてTeXシステムが急速に普及していくでしょう. 実際,欧文による出版ではかなりのものがこのシステムで出版されており,日本の出版社でも,岩波書店,共立出版,東京書籍など多くの出版社が意欲的に取り組んでいます.

WYSIWYG による印刷物は会報やパンフレットなどの簡易印刷物に,一般書籍や科学出版など印刷上の水準が激しく追求される本格的出版物には TeX システムが使われるようです. コンピュータによる電子出版(デスクトップパブリッシング DTP)はこれから本格的普及が始まろうとしています.

TeX(LaTeX)システムの特徴

TeX ファミリーで文書を作成し,印刷する手続きは
  1. 適当なエディタを使って,TeX 文書ファイルを作成しこれを保存する.
  2. TeX文書ファイルを TeX文書処理プログラムに入力し,dviファイルを作成する.
  3. 必要なら,印刷前にプレビュアーによりdvi ファイルの印刷イメージを確かめる.
  4. dvi ファイルをプリンタで印刷する.
普通のワープロによる作業に比べて dvi ファイルを作成する余計な手間を経ています. しかし,この dvi ファイルの存在こそが,TeX ファミリーで文書整形印刷をする有利さを特徴づけています.
dviファイルとは DeVice Independent(印刷機に独立)な印刷イメージファイル で,使用するプリンタとは無関係なファイルです. 実際にプリンタに印刷するためには,使用するプリンタに応じたプリンタドライバが必要です. この印刷ドライバが dvi ファイルから印刷に必要な活字情報(大きさや書体など)を読み取り,印刷するプリンタの解像力に応じて印刷します.

DPI は Dot Per Inch で,1インチあたり何個のドットを印刷できるかを表すプリンタの解像力を示す単位です.普通のレーザープリンタは 300から600 dpi 程度ですが,実際の出版物では 2000 dpi 以上の解像力を必要とします. このようなプリンタはタイプセッタと呼ばれ極めて高価ですが,dvi ファイルをタイプセッタのある出力会社などに持参するだけで TeX システムによる極めて高品質の印刷物が出来上がるのです. 手近なパソコンのTeX システムをつかって dvi ファイルさえ作成すれば,こうした印刷機を持つ場所に持ち込んで製版出力を行えば,どんな複雑な数式などが含まれる書籍でも最高の組み版水準による印刷物が出版できるのです.

写真やグラフィック図形なども PostScript ファイル(ページ記述言語である PostScript によってイメージが記述されたテキストファイル)として TeX に取り組む ことができます.すなわち出版に必要なすべてのことが TeX システムで取り扱えると いうことになります.

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