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LaTeX文書への画像を貼り付け

mizutani@rsch.tuis.ac.jp
参考書『インターネット時代のコンピュータリテラシー』(水谷正大,共立出版)

拡大縮小などが自由にできて仕上がり結果がきわめて美しいPostScript(ポストスクリプト)形式の画像を,graphicxパッケージを使ってLaTeX文書に張り込む方法を紹介する.


PostScriptとEPS
ポストスクリプトの表示:Ghostscript Viewer
LaTeX文書に画像を張り込む
EPSファイルの張り込み出力までの手順
EPS用スタイルファイルの使い方
画像形式の変換ソフトウェア

目次

PostScriptとEPS

PostScriptとはAdobe社が開発したプリンタ出力のためのインタープリタ型のページ記述言語である. PostScriptは,文字はもちろんのこと,イラストや写真などのグラフィックスを高度なレベルで表現する能力があり,品質を損なうことなく縮小・回転や変形などの画像操作を行なえるなど強力な機能を備えている.

PostScript形式のファイルは実はテキストファイルで,エディタで自由に編集することが可能である(相当な知識を要するが). Postscript言語で書かれたファイルをプリンタから出力するためには,PostScriptを直接解釈して出力できる専用のPostScriptプリンタ(PSプリンタ)の利用が最も適している. 本学のUNIXの部屋にあるプリンタはこのPostscriptプリンタである.

しかし,PSプリンタ以外のプリンタにPostScriptファイルを出力することも可能で,そのためのPostScript言語互換インタープリタのソフトウェアが開発されている. その中でも最も入手しやすいのはGhostscript, Aladdin EnterprisesのL.Peter DeutschがGNU General Public Licenseに従って無料で配布している. これはPostScript互換インタープリタで,多くのプリンタに対応している. UNIX版以外にもDOS版やWindows版およびMacintosh版などがある.

簡単なPostscriptコード
      % Postscript Code sample
      /inch {72 mul} def
      /Xpos 4 inch def
      /Ypos 3 inch def
      /Helvetica-BoldOblique findfont
      40 scalefont setfont
      Xpos Ypos moveto
      (Enjoy Hacking!) show
      /Xpos 1.5 inch def
      /Ypos 8 inch def
      /Times-BoldItalic findfont
      60 scalefont setfont
      Xpos Ypos moveto
      (Hello Postscript) show
      /Xpos 1 inch def
      /Ypos 8 inch def
      /Times-Bold findfont
      150 scalefont setfont
      45 rotate
      0.5 setgray 100 0 moveto
      (Rotation) show
右の内容をテキストファイルpostscript.psに保存して,次のように
Ghostscript ビューア gv を使ってプリンタイメージを見るjことができる.

% gv postscript.ps

EPSファイルとはEncapsulatex PostScriptファイルの略で,他のアプリケーションで取り扱いやすいように図形情報がカプセル化されたPostScriptファイルである. EPSファイルは必ず次のようなヘッダコメントから始まっているので,EPSファイルだと分かる.

%!PS-Adobe-3.0 EPSF-3.0
%%Creator: GraphicConverter
%%Title: WINTEX.ps
%%BoundingBox: 0 0 128 62
  .............
1行目がバージョンコメントで,そのファイルがPostScriptファイルでありEPSファイルのバージョンを表している.

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ポストスクリプトの表示:Ghostscript Viewer

ポストスクリプト(またはEPS)ファイ postscript.psをモニタ上で表示するには,次のようにGhostscript Viewer を使う.
% gv myphoto.ps
何ページにもわたるPSファイルであるときには,Enterによってページを進める.

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LaTeX文書に画像を張り込む:Grraphicxパッケージ

LaTeX2eで文書中に別に用意したポストスクリプトファイルを張り込むためにはgraphicxパッケージを利用する.
LaTeX2.09でEPSファイルを取り込むためには,専用スタイルファイルを用意しなければならない. PostScriptファイルを張り込むためのスタイルファイルには次のものがよく使われる.
LaTeX2.09の種類 EPSスタイルファイル
NTT版JTeX eclepsf.sty
ASCII版日本語TeX epsbox.sty

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EPSファイルの張り込み出力までの手順

以下は,LaTeX2e環境でgraphicxパッケージを使い,PSドライバdvi2psを使って印刷することを前提としている.

まずEPSファイルをLaTeXファイルに張り付けて印刷するまでの手順を確認しておく. graphicxパッケージの使い方はこの後で説明する. EPSファイルの張り込みを指定してから印刷までの具体的な手順は次のようになる.

  1. EPSファイルを用意し,後で説明する方法でEPSファイルの取り込みを記述したLaTeXファイルを書く.
  2. LaTeXでコンパイルしてDVIファイルを作成する. この時点では,DVIファイルにはまだEPSファイルは`取り込まれて'いない. したがって,ファイルを移動するときにはEPSファイルも一緒に移動しなければならない.
  3. プリンタから印刷する.

目次

graphicxパッケージの使い方

EPSファイルをLaTeXに張り込むためのgraphicxパッケージの使い方を説明する. EPSファイルには拡張子として『.eps』または『.ps』を付けるのが慣習になっている. ちなみに,通例PostScriptファイルには拡張子として常に『.ps』を付ける.

LaTeXのページにEPSファイルを取り込むためには,次のようにgraphicxパッケージを使ってLaTeXファイルを書く.

\documenclass{jarticle} \usepackage{graphicx} \begin{document} ..... \includegraphics[オプション]{PSファイル名} .... \end{document}
EPSファイルの場所指定は,このLaTeXファイルからEPSファイルまでの相対ディレクトリパスを区切り記号/を使って指定する. たとえば,sin曲線を表わすEPSファイルsin.epsを用意しておいて,次のように文中でEPSファイルを取り込む命令を記述する.
\documentclass{jarticle}
\usepackage{graphicx}
\begin{document}
元のサイズです.
\includegraphics{sin.ps}\\
拡大もできます.
\includegraphics[scale=1.5]{sin.ps}
変形も
\includegraphics[height=4cm,width=1.5cm]{sin.ps}
この通りです. 
\end{document} 

すると、次のような図が得られる. 図からもわかるように,\epsfile{...}で張り込まれる画像は"文中の文字"として扱われる. また,拡大や変形によっても画像の品質には変化がないというPostScriptの特質もうかがえる.

LaTeXファイルをコンパイルした後でxdviでプレビューする. xdviでは、ポストスクリプトを張り付けている領域は四角の空白領域となっているが、右にある[Ps Fig]ボタンを押すとGhostscriptが自動的に起動してポストスクリプトの内容も同時にプレビューできる.
EPSファイルを読み込む\includegraphicsのオプションの使用法の一部を以下に示す このとき,カンマ『,』の前後には余分な空白を入れてはいけない.
大きさの指定
EPSファイルの画像の大きさを指定することができ,高さを示すheightと幅を示すwidthのキーワードが使えます.
  1. \includegraphics[height=3cm]{EPSファイル名}
  2. \includegraphics{width=5cm]{EPSファイル名}
  3. \includegraphics[height=3cm,width=5cm]{EPSファイル名}

1番目と2番目のように,高さまたは幅のどちらかを指定したときには,もう一方も同じ倍率で拡大・縮小される. つまり,元のEPS画像image.psの大きさを幅x,高さyだとすると,1番目はheightがhとするとwidth=h・x/y,2番目はwidthがwとするとheight=w・y/xになる. 3番目のように,両方指定したときはその大きさになるように拡大・縮小される.

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画像形式の変換ソフトウェア

画像ファイルのファイル形式の変換ソフトウェアでは,UNIXなら画像処理ツールXV,MacintoshではGraphicConverter,WindowsではGIX proなどが有名である. いずれも,インターネットマガジン等の付録CD-ROMから入手できる.

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