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ファイルの組織的管理方法総合目次

コンピュータ講座 ファイルの組織的管理方法

ファイルシステム

mizutani@edu.tuis.ac.jp
参考書『インターネット時代のコンピュータリテラシー』(水谷正大,共立出版)
目次
ファイルシステム
ディレクトリ(フォルダー)
ファイルの一覧とディレクトリ構造
UNIXでのファイル一覧とディレクトリ構造
Windows95やMacintoshでのファイル一覧とフォルダーの構造
ディレクトリ(フォルダー)の階層構造
ディレクトリーツリー
Windows95やMacintoshのディレクトリフォレスト
ディレクトリパス
unixのディレクトリパス
UNIXにおけるディレクトリの移動
Windows95およびMacintoshにおけるディレクトリパス

ディレクトリおよびフォルダーの作成
UNIXでのディレクトリ作成
Windows95およびMacintoshにおけるフォルダーの作成

ファイルシステム

コンピュータで操作する情報の単位をファイルといいます. コンピュータは大量のデータ(ファイル)を蓄積することができ,そうして蓄積したファここでは,このファイルをコンピュータ内にどのように蓄積するか,あるいは蓄積されているファイルにどのようにアクセスするかというファイル管理を学びます.

ファイルを効果的に再利用することがコンピュータ利用の中心的役割となります. 一般的なコンピュータユーザー個人が作成することのできるファイルは,日々の活動に関る手紙などの文書や名簿類に限られており,短期間の間に大量のファイル数に達することはあり得なかったのが実情でした.

つまり大量のファイルをコンピュータ内に蓄積する機会は業務利用など特別なユーザーを除いてあまりなく,コンピュータユーザーにとってファイル管理が深刻な問題になる局面は少なかったのではないでしょうか.

しかし,大量のデータを記録しそれを安価に複製することのできる媒体であるCDROMでの情報の配布が一般化し,さらにインターネット利用の急速な拡大にともなって,大量のファイルの蓄積がすべてのユーザーにとって現実の課題となってきたのです.

1枚のCDROMには約600MBの情報を記録することができます. 既にほとんどのコンピュータ関係の雑誌には付録としてCDROMが添付されています. 実際,1000以上の配布先にまとまった情報を配布しようとするとき,従来の印刷物による配布に要する経費と手間を下回る場合もすくなくありません.
ファイルをまとめて整理しておくことは,まさにネットワーク時代の大切な心掛けであるばかりでなく,大量の情報に翻弄されずにそこから必要なことだけをとりだすという最も重要な情報処理技法の基本にもなっています.

目次

ディレクトリ(フォルダー)

今日ではコンピュータを使っていると,自分で作成したファイルだけでなく様々な媒体から供給されるファイルなどをコンピュータに取り入れるようになり,ファイル数はがどんどん増えてきます. 結果的には,どのファイルがどんな内容であったかどうかを掌握することが難しくなります. このとき,大量のファイルをいかに管理するかが問題となります.

ファイルとは,用紙に書かれた書類のようなものであると考えられます. たった数行しか書かれてないものやぎっしりと書き込まれたものもあるでしょう. だれでもバラバラになった書類を机の上に積み上げておくようなことはしません. 誰しも,未整理の書類の山から目的の書類を見つけられなくもイライラした経験があるからです.

このような場合,フォルダーという書類はさみを用意して関係する書類を束ねそのフォルダーに名前をつけて机を整理するはずです. 場合によったら,フォルダーには書類の他に別のフォルダーも綴じこまれていることもああります. コンピュータにおけるファイル管理も,机の上にある書類を整理する方法と同じようにおこないます.

コンピュータにおけるファイル管理でも,名前をつけたフォルダーを用意して,関連しあうファイルをそのフォルダーに入れてファイルの整理しておけばいいのです. 必要ならば,そのフォルダーの中にまた別のフォルダーを入れておくことも考えられます(さらにそのフォルダーの中にまたフォルダーが‥‥)

ファイル群をフォルダー(またはディレクトリ)で管理する. 自分の作業机つくえには,ファイルfile_1,file_2,...やフォルダー Folder A,フォルダー Folder Bがあり,それぞれファイル file a1,file a2,.....および file b1, file b2,...が格納されている.

Folder Aには別のフォルダーFolder Cが,Folder BにはFolder DとFolder Eも綴じこまれており,それぞれにファイル群が格納されている. UNIXの場合,ユーザーの所有するこれらファイル群やフォルダーはすべてhomeというフォルダー内に作成されています.

このようにファイルをひとまとめにして格納するための容器をフォルダー(folder)またはディレクトリ(directory)といいます.

ファイルをディレクトリで管理することは,UNIXをはじめとする現在のコンピュータにおけるファイルシステム(file system)の中心的考え方となっています.

ディレクトリやフォルダーでもその意味は同じです. UNIXでは以前からディレクトリということばが使われてきました. その影響を受けてMicrosoftはMS DOSやWindows3.1でもおなじディレクトリということばを使ってきました.

フォルダーという呼び方は従来からMacintoshで使われてきましたが,遂にMicrosoftはWindows95からディレクトリに代わりフォルダーということばを使うようになりました.

このテキストの範囲では,以下フォルダーとディレクトリは同じ意味で使うことにします.

UNIX システムを利用するユーザーはシステム管理者から専用のディレクトリ(フォルダー)を割り当てられています. それを各ユーザー専用のをホームディレクトリ(home directry)または単にホームといいます.

コンピュータネットワークにログインした直後には,ユーザーの作業場所はそれぞれのユーザーに割り当てられたホームディレクトリとなります.

ホームディレクトリはその所有者であるユーザーだけが専用に利用・管理できるディレクトリとして設定されています. ユーザーは自分のホームディレクトリの中に自由にディレクトリ(フォルダー)を作ることができ,専用のホームディレクトリというフォルダーの中に思いのままにファイルを配置・管理することができます.

一方,あるユーザーが所有するディレクトリ内に,べつのユーザーが勝手にディレクトリを作ったりすることは許されていません. 各ユーザーのホームディレクトリは互いに保護されているからです.

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ファイルの一覧とディレクトリ構造

どのようなファイルやフォルダー(ディレクトリ)があるかを一覧することをかんがえましょう.

UNIXでは,原則的には,格納されているファイルやディレクトリ(フォルダー)にどんなものがあるかを一覧するためには以下のようなコマンド(命令)を入力しなければなりませんが,一回の入力で目的を達することができます.

一方,Windows95やMacintoshではファイルやフォルダーをウィンドウ内のアイコンとして表示することができるためにコマンド入力は不要ですが,場合によってはたくさんのウィンドウを開かねばなりません.

したがって,UNIXシステムが難しくて不便であるとかWindows95やMacintoshがやさしくて便利であるとは一概にいうことはできません.

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UNIXでのファイル一覧とディレクトリ構造

現在作業しているディレクトリにどのようなファイルやディレクトリがあるかを一覧するにはlsコマンド(LiSt)を使います. このファイルを一覧するコマンド ls を実行することをリストを取るということがあります.

ログインした直後のホームディレクトリを覗いてみましょう. その結果は"ユーザーごとにさまざま"なはずです (初めてログインしたときは何もファイルが作られていないために,ls で覗いても何も表示されないかも知れません).

% ls
Mail/    News/    doc/   public_html/     letter
上の例で doc/ のようにディレクトリ名の後に`/'記号がついているファイルはホームディレクトリ内に作られたディレクトリを表しています. どのようにしてディレクトリを作成するかについては後で述べます.
実は,ls -F のように -F オプションをつけてコマンドを実行するとディレクトリ名のあとに / がつきます.

ここでは,コマンドエリリアス機能 alias ls ls -F を使って,コマンド ls を実行するだけディレクトリ表示ができるように設定してあるものとして説明しています.

ディレクトリ doc} はホームディレクトリの中に作られています. このとき,ディレクトリ doc はホームディレクトリの下にある子ディレクトリ(child directory) またはサブディレクトリ(subdirectory) であるといいます. 同じことですが,(自分専用の)ホームディレクトリはディレクトリ doc の親ディレクトリ(parent directory)であるといいます. ls はディレクトリだけでなく,"ファイルの有無"を調べることができます.

% ls letter
letter

もしファイルが存在しなければ,その旨のエラーメッセージが表示されます.

lsはディレクトリ名を指定して,そのディレクトリ内にあるファイルの一覧をすることができます. ホームディレクトリ下にあるディレクトリ doc 内のファイルを一覧するには

% ls doc
economy/    music/     sports/     etc/      export.dvi
export.tex  trade.txt

この例では,ディレクトリ economy, music, sports そして etc の共通の親ディレクトリは,ホームディレクトリの子ディレクトリである doc となります. あくまでも,親・子ディレクトリの関係は相対的なものであることに注意してください.以降,ディレクトリの親子関係には常に注意します.

今まで説明したホームディレクトリにおける親子関係は図のように表すことができます. UNIX におけるあらゆるディレクトリには必ず次の2つのディレクトリへのリンク名が格納されています.

 . 自分自身
.. 親ディレクトリ
この事実から,どんなディレクトリにとっても,その親ディレクトリを `..'で指定することができることがわかります.

% ls ..

コマンド `ls ..'を入力すると,ユーザーが`現在居る'ディレクトリの親ディレクトリ内のファイル群を一覧することになります. たとえば,ログイン直後(ホームディレクトリにいるはずです)にこのコマンドを実行すると,ユーザー登録されている各ユーザーのホームディレクトリの一覧が得られるはずです.

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Windows95やMacintoshでのファイル一覧とフォルダーの構造

Windows95やMacintoshのようなパソコンでは,ファイルはディスク装置 ごとに管理されています.

コンピュータに接続または内臓されている外部記憶装置をディスク と呼びます. ディスクにあるファイルを読んだりディスクへファイルを書き込んだりするする装置を ドライブといいます.

ディスクには,固定ディスク(または ハードディスク)(HDと略記される)や フロッピーディスク(FDと略記)そして 光磁気ディスク(MOと略記)などがあります. HDはIGBを越える大容量の外部記憶装置で,内部を分割して論理的に別のHDとして使うこともあります.

Windows95では通常"C:"ドライブとして割り当てられ,分割されていたり追加されたHDがあれば,さらにD:ドライブ, E:ドライブというようにドライブ番号が割り当てられます.

FDは3.5インチサイズの安価な外部記憶媒体で,約1.4MBの容量があります. FDでファイルを持ち運ぶには最も簡便な手段です. こうしたリムーバブル(removable)な外部記憶媒体にMOがあります. 記憶容量は3.5インチサイズでは128MBやその倍の256MBのものがあります.

他にも読みだし専用で書き込みができない大容量ディスク媒体であるCDROMがあります.

コンピュータに接続されているドライブにどのようなものがあるかは次のようして知ることができます.

Windows95
Windows95のパソコンに接続されているドライを知るにはデスクトップいあるアイコン"マイコンピュータ"をダブルクリックする.

この例では,ハードディスクが分割・追加されてC:からE: まであり,FDやcDROMドライブの他にMOのためのドライブとしてリムーバブル(取り外し可能)ドライブのアイコンがある.
この図のように,デスクトップにあるマイコンピュータ アイコンをダブルクリックするとウィンドウが開いて接続されているドライブのアイコンが現われます.

Macintosh
分割・追加されたハードディスクのアイコン`System', `Application', `User'にくわえ,挿入したCDROM,FDそしてMOのアイコンも現われている.
ディスクトップの右側に接続されているドライブのアイコンが並びます. FDやMOをドライブに挿入すると,対応したドライブのアイコンがデスクトップに現われます.
現在作業しているドライブにあるファイルやフォルダー(ディレクトリ)を一覧するには,ドライブアイコンをダブルクリックします.

ディスクドライブにあるフォルダー群.

フォルダー(ディレクトリ)内にあるファイルやフォルダーを一覧するには,指定したフォルダーをダブルクリックします.

フォルダーにフォルダーが何重にも入れ子になっているとき目的のファイルを含むフォルダー内を一覧するには,次々とフォルダーを開いて"掘り進まねば"ならない.

フォルダー(ディレクトリ)の中に何重にもフォルダー(ディレクトリ)が格納されている場合,目的のファイルを探し当てるためにWindows95やMacintoshでは次々とフォルダーを"掘り起こす"ことによって,多くのウィンドウが開かねばなりません. このよう状況では作業に不必要なウィンドウを閉じておくようにします.

ウィンドウを閉じるには,Windows95ではウィンドウ上端右側の`x'印を,Macintoshではウィンドウ上端左側の`□'をクリックします.

表示方法を変えたり,Windows95のエクスプローラを使って,いくらか効果的にファイルを掘り出すことができますが,GUI (Graphical User Interface)というアイコンを使ってコンピュータを操作しようとする以上,このような"情報過多"は避けられません.

アイコンは,アプリケーションプログラムごとに特徴的デザインをもち,それを使って作成したり利用したファイルにはそれとわかるアイコンとなるように工夫されています.

次の図では,適当なドライブに文書を格納するためのフォルダーdocumentを作成し,その中にさらに2つのフォルダーTeXfileとHTMLfileを作成してそれぞれLaTeX文書とHTML文書を格納している様子をWindows95とMacintoshについて示したものです.

Windows95の場合

Windows95のアイコンの例.

TeX関連のアプリケーションWinTeXとそのプレビューアWinDviProおよびWebブラウザのアプリケーションNetscapeのアイコン.

次の図はフォルダーTeXfileとHTMLfileに格納されているファイル群のアイコン.


TeXfileフォルダーにあるファイル群は,テキストファイルにはそれを作成したアプリケーション(WZエディター)に応じたアイコンで,WinTeXを利用して作成したDVIファイルにはプレビューアのアプリケーションWinDviProのアイコンに関係したアイコンがで表されている.


HTMLfileフォルダーにあるテキストファイルは,アプリケーションNetscapeを使ってブラウズしたあとには,作成したエディタによらず,Netscapeのアイコンに関係したアイコンで表されている.


Macintoshの場合

Macintoshのアイコンの例.

LaTeXのアプリケーションTeXとそのプレビューアxdviおよびWebブラウザのアプリケーションNetscapeのアイコン.

次の図はフォルダーTeXfileとHTMLfileに格納されているファイル群のアイコン.


TeXfileフォルダーにあるファイル群は,テキストファイルにはそれを作成したアプリケーション(YooEditエディター)に応じたアイコンで,TeX{}を利用して作成したDVIファイルにはプレビューアのアプリケーションxdviのアイコンに関係したアイコンがで表されている.


HTMLfileフォルダーにあるテキストファイルは,YooEditで作成したものである.


これらの図を見比べてわかるように,Windows95とMacintoshでは見た目には同じ様にしてファイルを管理しています. Windows95やMacintoshではフォルダー(ディレクトリ)は,特別に制限されていない限り,どのドライブにでも作ることができます. UNIXとは違って,各ドライブは保護されておらずユーザーによって自由に書き込むことが可能だからです.

UNIXの場合とまったく同じ様に,フォルダーの中にもフォルダーを作ることができます. この例では,ディスクに作成されたフォルダー(ディレクトリ)documentの中にフォルダー(ディレクトリ)TeXfileとHTMLfileがフォルダーdocumentの サブフォルダー(subfolder) として置かれています. 同じことですが,フォルダーdocumentはフォルダーTeXfileやHTMLfileの 親フォルダー(parent folder)であるといいます.

UNIXの場合と同様に,親・サブフォルダーの関係は"相対的"なものであることに注意してください. サブフォルダーの中にも何重にもフォルダーを入れ子にすることができるからです. 以降,フォルダーの親子関係には常に注意します.

上の図で例示したような,特定のディスクにあるファイルとフォルダーにおける親子関係はこの図のように表すことができます.

この例ではディスクはE:ドライブにあるとし,フォルダー名を四角で囲んである.

Windows95のDOSプロンプトにおけるUNIX的なディレクトリコマンドdir (およびエクスプローラーによるフォルダー階層によるファイル表示方法)による以外には,残念ながらWindows95やMacintoshには指定したフォルダーの親フォルダーを表示する機能は備えていません.

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ディレクトリまたはフォルダーの階層構造

ディレクトリ(フォルダー)とはファイルやディレクトリ(フォルダー)を格納するための書類ばさみであるということ,そしてディレクトリ(フォルダー)には親子関係があることがわかりました. UNIXのディレクトリ構造図や Windows95やMacintoshのフォルダー構造図 からわかるように,ディレクトリまたはフォルダーの親子関係には次のような著しい特徴があります.

ディレクトリ(フォルダー)を頂点(vertex)または 節(node)とし,ディレクトリ(フォルダー)の親子関係を親と子を結ぶ辺(edge)と見るとき,上の特徴を満たすディレクトリ(フォルダー)構造を木(tree)といいます.

実際のUNIXファイルシステムではシンボリックリンクをディレクトリに張ることができるので,厳密な意味では木構造にはなっていません.

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ディレクトリーツリー

木構造は,木に属するどんな2つの頂点に対しても,木の辺をつないで一方の頂点から他方の頂点へ到達する経路(path)が唯一つしか存在しないという性質で特徴づけられます.

木構造の数学的定義は次のとおり.

$n$個の頂点の集合V={v1,v2,... ,vn}と頂点と頂点を結ぶ辺の集合 E={e1,e2,....}の組(V,E)をグラフ(graph)といいます.

グラフに属する任意の2頂点が辺をたどることによって到達可能であるとき,そのグラフを連結グラフといいます.

木とは,グラフに属する任意の2頂点間を結ぶ経路が唯一つである連結グラフのことです.

このことから,UNIXのディレクトリ構造を ディレクトリツリー(directory tree)ということがあります. UNIXのファイルシステムが採用しているる木構造をなす 階層ディレクトリ(directory hierarchy)構造は多くのオペレーティングシステムに強い影響を与えることになりました.

ディレクトリツリーの意味することは何でしょうか. どんなディレクトリもその親ディレクトリを持つという事実からの論理的帰結とは,すべてのディレクトリの"祖先"となるような特別なディレクトリが唯一つ存在するということです. この特別な祖先ディレクトリをルートディレクトリ(root directory) といい,記号 "/" で表します. ルートディレクトリはすべてのファイルやディレクトリを綴じこんでいる最大の書類はさみであると考えられます.

この図には,UNIXファイルシステムの一部が表わされています. 図の最上部にあるディレクトリをルート(根)と呼ぶのは,天地を逆にして図を見れば明らかでしょう. まさに,ルートディレクトリは木の``根''となっているからです.

UNIXにおける他のすべてのディレクトリはこのルートディレクトリの(または孫・曾孫.....)として作られているのです.

木構造はコンピュータの世界では最も基本的な概念の一つです. データ構造}{data structure}としての木構造には多くの重要な応用が考えられています.


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Windows95やMacintoshのディレクトリフォレスト

Windows95やMacintoshでは外部記憶装置であるディスクごとにファイルを管理しています. そのファイルシステムも,フォルダ構造図で示されるように,各ディスクごとにディレクトリツリーをなしてます.

ドライブごとに木構造をなしているディレクトリフォレストのファイルシステム(Windows95の例).


Windows95やMacintoshのファイルシステムは,全体として単一のディレクトリツリーとはならず,各ドライブごとにツリー構造をなしている"森"構造となっています.

これらのOSとUNIXのファイルシステムとの最大の違いは,Windows95やMacintoshではドライブ同士は互いに独立していることにあります.

その結果,ドライブの数だけの木構造があることになります. 一方,UNIXのファイルシステムでは(同じ様にファイルはいくつかのディスクに格納されているのですが),ディレクトリツリーの適当な位置にこれらのドライブを マウントすることによって,ファイルシステム全体として単一のディレクトリツリーを実現していたのです. ます.

Windows95やMacintoshのファイルシステムのように各ドライブごとに木構造が集まっているようなグラフを数学的には森(forest) と呼んでいます(冗談ではなくちゃんとした数学用語です). つまり,森とは木が集まってできる非連結グラフのことで,木と木は辺で結ばれていません.

そこでWindows95やMacintoshなどのファイルシステムの構造を ディレクトリフォレスト}(directory forest) または フォルダーフォレスト}(folder forest)と呼ぶことにします.

ユーザーが作成したり入手したファイルを保存・管理するときには,ファイル群を納めるにふさわしいディレクトリやフォルダーを自分のホームディレクトリや作業用ディスクにに作成し・配置して,ディレクトリツリーとして適切なファイル管理を心掛けることが情報管理の核心となります. これに関しては, ファイル名やディレクトリ(フォルダー)名の命名法と併せて後に触れることにします.

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ディレクトリパス

階層ディレクトリ構造またはディレクトリフォレスト構造において,目的とするファイルやディレクトリが何処にあるかを特定するにはどうすればいいでしょうか.

ファイルシステムにおけるファイル位置を特定するという概念は,実際には,アプリケーションを利用して作成したファイルをファイルシステムのどのディレクトリ(フォルダー)に保存しようとするのか,あるいは編集しようとするファイルをアプリケーションに読み込むために目的のファイルがファイルシステムの何処にあるかを指定するときに必要となります.

コンピュータのファイルシステムでは,ディレクトリツリーまたはディレクトリフォレストにおいて目的のファイルに達するための経路を指定することでファイル位置を特定する方法をとっています. これをディレクトリパス(directory path)といいます.

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unixのディレクトリパス

UNIXシステムを利用しているユーザーはいつもディレクトリツリーのどこかに 居ることになっています. ユーザーがいるディレクトリをワーキングディレクトリ(working directory), またはカレントディレクトリといいます. ファイルの一覧をするコマンド ls に何も引数をつけないで実行すれば,ワーキングディレクトリ内のファイル情報を表示することになっています.

ユーザーが現在居るワーキングディレクトリを知るためにはコマンド pwd を入力します. コマンド pwd(Print Working Directry)は,ルートディレクトリ / から現在のワーキングディレクトリに到達するために通過するディレクトリを / で区切りながら表示します.

ログインした直後には自分のホームディレクトリがワーキングディレクトリになっています.

たとえば,UNIXのディレクトリ構造の図において,登録ユーザー名が taro というユーザーにとっては,ログインした直後には自分のホームディレクトリがワーキングディレクトリとなります.

% pwd
/home/students/taro

この位置は,ルート / の下にある home ディレクトリの,その下にある students の下の taro というディレクトリであることを示しています.

ユーザー専用のホームディレクトリ名が必ずしも home ではないことに注意してください. あくまでも,管理者からユーザーに割り当てられた専用ディレクトリを`ホーム'と呼ぶのです.

UNIXファイルシステムにおいては,目的とするファイルやディレクトリの位置を特定するディレクトリパスを指定するには,次の2つの表現があります.

絶対ディレクトリパス
ワーキングディレクトリがどこにあろうとも,目的とするファイルやディレクトリの位置を特定するには,ルートディレクトリからのディレクトリパスでその位置を指定すれば十分です.

このような指定方法を,絶対ディレクトリパス(absolute directory path)といいます. ディレクトリツリーにおける位置を絶対的に定める指定方法だからです.

たとえばディレクトリ構造図において,taro 以外のユーザである hanako にとって,taro の所有しているファイル export.tex の位置は,ユーザーの hanako のワーキングディレクトリが何処にあろうとも絶対的に指定することができて,その位置は

/home/students/taro/doc/export.tex

となります.

相対ディレクトリパス
一方,目的のファイルやディレクトリを特定するために,現在のワーキングディレクトリからその位置に達するまでのディレクトリパスとして指定することもできます.

このような指定方法を,相対ディレクトリパス(relative directory path)といいます.

たとえばディレクトリ構造図において, hanako のワーキングディレクトリがホームディレクトリ(/home/students/hanako)にあるとき,taro の所有しているファイル export.tex へのディレクトリパスは,

../taro/doc/export.tex

となります.

'..' によってディレクトリ /home/students に戻ってから,taro のexport.tex に達する経路を指定するのです.

たとえば,ルートディレクトリにどんなファイルまたはディレクトリがあるかを一覧するには

% ls /

とすればよいのです.

ファイルやディレクトリの位置を特定するとき,絶対ディレクトリパスか相対ディレクトリパスのどちらの指定法がいいかは,そのときの状況に依存します. その都度,便利な方をつかえばよいでしょう.

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UNIXにおけるディレクトリの移動

ファイルを一覧するコマンド ls は,とくにディレクトリ名(へのパス)を指定しない限りは,現在いるワーキングディレクトリに格納されているファイルやディレクトリを表示します.

現在いる所からは"外から"ディレクトリ内部を見ることはできません.

% ls
Mail/    News/    doc/   public_html/     letter
% ls doc
economy/    music/     sports/     etc/       export.dvi
export.tex  trade.txt

目的のディレクトリというファイルの入れ物の中に何が入っているかを知るには,そのディレクトリの`中に入ってみる'ことです. これは現在いるワーキングディレクトリを目的のディレクトリの中に移動することによって達成されます.

ワーキングディレクトリの移動には cd(Change Directry)コマンドを次のように使います.

cd 移動先のディレクトリパス

たとえば,ホームの下にあるディレクトリ doc の中に移動してみましょう.

% cd doc
% pwd 
/home/students/taro/doc

ディレクトリを移動した後には必ず pwd で現在居るワーキングディレクトリを確認するようにします.

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Windows95およびMacintoshにおけるディレクトリパス

Windows95やMacintoshではUNIXのように明示的にディレクトリパスを入力するような局面はほとんどありませんが,ディレクトリパスの考え方は同じ様に重要です. 作成編集しているファイルを指定したフォルダー内に保存したり,あるフォルダーからファイルを読み込んだりする場合に必要になるからです.

Windows95やMacintoshのファイルシステムは,UNIXのような単一のディレクトリツリーではなく,ディスクごとにディレクトリ(フォルダー)ツリーをなしているディレクトリフォレスト構造になっています.

したがって,ファイルシステムにおけるファイルやフォルダーの位置を絶対的に指定するには,まずアクセスするディスクドライブを指定しなけれななりません. このような特殊な事情があるとしても,ファイルシステムにおけるファイルやフォルダーの位置を指定することを,UNIXと同じ様に,ディレクトリパスということにします.

図}および図\ref{fg:mac-path}はそれぞれWindows95とMacintoshにおけるエディタにファイルを読み込む際のディレクトリパスの指定法を示しています.

Windows95のパス指定

Windows95におけるディレクトリパスの指定.

この例では,WZエディタでファイルを読み込む際に,まず目的のドライブG:を選択してから,必要ならフォルダー階層を"掘り進み"ながらフォルダーを開いて目的のファイルを選択します. Windows95ではドライブの選択とドライブ内のフォルダーやファイルの選択ウィンドウは別々になっています.

Macintoshのパス指定

Macintoshにおけるディレクトリパスの指定.

この例では,YooEditエディタでファイルを読み込む際に,まず目的のドライブUserを選択してから,必要ならフォルダー階層を"掘り進み"ながらフォルダーを開いて目的のファイルを選択する.

Macintoshではドライブの選択とドライブ内のフォルダーやファイルの選択は1箇所におけるマウス操作で行うことができる. Macintoshではすべてのドライブはデスクトップに登録されるため,あらゆるファイルはデスクトップを経由して`相対的'に指定することが可能である.


Windows95もMacintoshも同じ様にして,フォルダー同士の相対関係(親子関係)を知った上で目的のファイルをフォルダーから掘り出して指定しなければなりません. また,別のドライブにあるフォルダーやファイルを表示するためには,まずドライブを変更しなければなりません.

このときWindows95ではドライブの変更とドライブ内のフォルダーやファイルの選択は別々となっておりディレクトリパスを指定する操作はやや繁雑です.

一方,Macintoshの場合にはドライブの変更はフォルダーの変更の一部としてデスクトップを経由して行うことが可能なためにWindows95にくらべてディレクトリパスの指定は格段に便利です.

Macintoshのファイルシステムも,ドライブ別に管理されています.

しかし,ディレクトリパスの指定という観点からみれば,デスクトップは各ディスクの`親'フォルダーと考えることができるために,結果的にはこのデスクトップがUNIXのルートディレクトリであるかのような役目を果たすことになります.

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ディレクトリおよびフォルダーの作成

ディレクトリやフォルダーをどのように配置してファイル管理をするかは,コンピュータの使い勝手を左右する最も大切な事項です. 作成するディレクトリやフォルダーにどのような名前をつけるか,その中にどのようなディレクトリやフォルダーを格納するかは,組織的に体系だったファイル名のつけ方とと同じように,じっくりと考察するに値する重要ごとです.

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UNIXでのディレクトリ作成

UNIXではユーザーに割り当てられたのホームディレクトリの中では自由にディレクトリを作ることができます.

自分のホームディレクトリ以外の場所にはディレクトリを作ることはできません.

またユーザーの作成したディレクトリ名やファイル名の変更は後からいくらでも変更できます.

現在のワーキングディレクトリに新しくディレクトリを作成するには,次のようにコマンドmkdir}を使ってディレクトリ名を指定します.

% mkdir ディレクトリ名

たとえば,今までの例で度々登場してきた文書(DOCument)を格納するためのディレクトリ doc(他のどんな名前でも構いませんが)をホームディレクトリの下に作成するには,自分がホームディレクトリにいることを確認してから

% mkdir doc

とします. 実際にディレクトリが作られたことを ls で確認する習慣をつけましょう.

UNIXでは,自分がどんなディレクトリに居たとしても

% cd

と cd コマンドを入力するだけでホームに戻れます.

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Windows95およびMacintoshにおけるフォルダーの作成

Windows95やMacintoshでは,とくに工夫されていない限りどのドライブのどのフォルダー内にも新たにフォルダー(ディレクトリ)を作成することができます. しかし,むやみ勝手な場所にフォルダーを作るべきではありません. どのような場所にどんなフォルダーを作るべきかはあとで説明します.

フォルダーを作成するには,ドライブまたはフォルダーを開いて新しくフォルダーを作成したいウィンドウを選択し,次のようにします.

Windows95
選択したウィンドウのFileメニューにあるフォルダーの作成を選ぶと新しいフォルダという名称のフォルダーが作成される.


Macintosh
フォルダーを作成したいウィンドウを選択して,デスクトップメニューのファイルメニューからフォルダーの作成を選ぶと,名称未設定フォルダという名称のフォルダーが作成される.


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