POV-Rayは,3次元CGを生成するためのソフトウェアです。 レイトレーシング法によるレンダリングによりCG画像が生成されます。 また,POV-Rayはフリーソフトウェアであり,インターネットなどを通じて,完全なパッケージを無料で入手することが可能です。
POV-Rayで画像ができるまでの手順は次のようになります。 また,必要に応じてアニメーションを生成することもできます。
シーンファイルの作成 |
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自動レンダリング |
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アニメーションの作成 |
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まず,シーンファイルを作成します。このシーンファイルは,人間が読むことができる文字だけから成るファイルです。 この中に自分の作品の中に登場するものの形や色,位置や向き,ライトでの照らし方,カメラの場所などについての命令を,通常手書きで自由に書き込みます。 作成はエディタのような文字を書くためのソフトウェアで行います。 このシーンファイルをもとにPOV-Rayがレンダリングを行い,画像を生成します。
- 基本例 -
球 | Sphere |
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#include "colors.inc" #include "shapes.inc" camera{ location<10, 5, 5> look_at<0, 0, 0> angle 40 } light_source{<20, 20, -20> color White} object{ sphere{<0, 0, 0>, 1} pigment{color Orange} } |
ダーツ | darts.pov |
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教材内容の検討 |
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下絵の作成 |
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各シーンの作成 |
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文字の埋め込み |
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アニメーションの作成 |
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①教材内容の検討
まず,教科書の内容を調査し,教材の題材を決めます。
次に,学習指導要領や関連教科の教科書などを調査し,教材の内容の妥当性を検討するとともに教材の細部を決定していきます。
例えば,教材中に数字,記号,漢字などを表示する場合は,それらが学習対象者(対象学年)に対して使用可能であるかなどの確認を行います。
② 下絵の作成
実際のCGを作成する前にシーンごとに下絵を作成します。
さらにシーンの切り替え,全体の構成を検討をします。
なお,この段階で各開発者が担当するシーンの割り振りを行います。
③ シーンの作成
作成した下絵をもとに各シーンにCGを作成します。
また,各シーンが出来上がった後,シーン上のオブジェクトの大きさの調整,表示方向などの調整を行うことにより全体の構成が自然になるようにします。
④文字の埋め込み
シーンごとに文字の表示位置を決め,文字の埋め込みを行います。
なお,和文に関してはあらかじめ作成しておいた画像をマッピングすることにより表示しました。
⑤ アニメーションの作成
各シーンの動作速度を調整し,CGアニメーションを作成します。
なお,CGアニメーションはPOV-Rayの統合開発環境において直接再生することができます。
さらに,POV-Rayが描画の際に生成するBMPファイルを1つのCSVファイルに結合することによりアニメーションファイルも併せて生成します。