12 色温度とホワイトバランス |
1. 「色温度」とは
色温度とは、フィルムやCCDが、被写体の発色を、人間が感じる色(演出意図の色)に感じさせるための尺度となるものである。正しくは、「その光と同じ色の光を完全黒体が放射する時の黒体の温度」ことで、単位はK(ケルビン)であらわす。
高い数字ほど青白く、低いほど赤い。真昼の太陽光は5500〜6000K程度。電灯光は2800〜3500K程度。テレビ、ディスプレイは9300〜9600K程度であることが多い。
2.色温度調整の必要性」
自然にあるがままの被写体は、そこに存在する光源からの光を反射して発色するものなので、さまざまに色が変化している。しかし、人間は、「この物体はこういう色であるはずだ」という意識が働くので、その色の変化を、脳の中で処理してしまい、基本的には、同じものは常に同じ色をしているものであるかのように認識してしまう。しかし、フィルムやCCDは、そこに何も操作を加えなければ、そのまま、自然な色を記録してしまう。そこで、フィルムの場合には、フィルターを用いる。
3.ホワイトバランスの意味
ビデオカメラ(CCD)の場合は、「カラーバランス」を電気的に調整することによって、「人間の色の感じ方に近い状態に発色する」ようにしてやる必要がある。
ビデオカメラの場合、このカラーバランスを自動的に調整する機構がついているが、完全ではないので、できるだけカットごとに、カラーバランスをマニュアルで調整することが好ましい。
カラーバランスの調整方法としては、被写体の前に、グレーチャート、または白い紙を置き、画面のほぼ全体を白に画面にしたうえで、その色が「白」である、とカメラに記憶させることで、このカラーバランスをとることが普通である。
この操作が「ホワイトバランスをとる」という操作である。グレーチャートでホワイトバランスをとることは、露出も同時にチェックできる点で、より便利である。グレーチャートの反射率は18%で、これを標準反射板ともいい、ほぼ人間の肌の明るさが適切に撮れる反射率として、露出を決定するうえでの基準(参考値)となる。
4.「ホワイトバランスのとり方
@ホワイトバランススイッチをマニュアルモードにする(ボタンを押してWHBのマークが表示される)
Aグレーチャートを撮影条件の照明の下に置く。
Bグレーチャートを撮影画面の90%以上が占めるサイズまでクローズアップする。
Cホワイト設定ボタンを押す
*グレーチャートがない場合、白い紙などで代用できる。撮影した壁面が白い場合にも代用となる。