映像表現論U演習 2001年度後期創作演習 作品紹介
ドレミファプロダクション  作品   

Another Friend




■スタッフ:
  監督・原作  井田賢吾
  脚本  井田賢吾 加藤真也 
  カメラ  井田賢吾
  AD  林部敬士
  音声  立石雄紀 渡辺武士
  編集  加藤真也 井田賢吾
  音楽担当  金森正晃

■キャスト:
  主人公『俺』  井田賢吾
  勇仁  林部敬士
  マサト  立石雄紀
  カズヒコ  渡辺武士
  シンジ  加藤真也

ドラマ『Another Friend』 11分12秒

あらすじ: 
 友達の定義とは何か。今まで友達とは良好な関係を築いてきたはずの『俺』。しかし最近友達の態度が気になりギクシャクした微妙な関係に陥ってしまう。そんなある日、ふと、今まで自分のいた場所に、不思議な少年が現れる。勇仁と名乗ったその少年は、すぐに仲間と親しくなってゆく。最初、戸惑っていた『俺』も次第に、勇仁に心許すようになってゆく・・・。『俺』とその周りの仲間との日常、ささやかな友情を画いた心温まるヒューマンストーリー。

苦労した点: 
 まず構想段階で、井田君のねらいや考えを全員でシェアしあうのに時間がかかった。その後、シナリオに若干の修正を加え、撮影開始。ここでも、メンバーがそろわない。最終的に、出席率が悪く撮影にもなかなか予定のあわない金森君は音楽を作ってもらうと言う約束でキャスト・スタッフから外す。そのため、最初から撮り直し。その後も集まりの悪い状況もあり撮影は遅れる。編集では、せっかく撮ったシーンがノイズだらけで使えないなどの問題が出たが、急遽追加撮影などにより事なきを得る。進行状況からすると、このスケジュールでよく出来上がったものだ、と思う。

作品のねらい: 
 この作品では主人公『俺』の分身として、勇仁というキャラの存在を置いた。勇仁は、友達を信じきれない弱い『俺』に対して、友達を信じたい『俺』の心の具現化した存在であり、もうひとりの『俺』である。今回、勇仁は『俺』にとって理想の自分像として描かれている。しかし、その理想の勇仁は彼自身の心の具現化であるため、実は『俺』の中にはそれだけの「良い面」があるんだよ、ということを表現したかった。それらを踏まえて『俺』の視点を背景に、友達とは何ぞや、と、ちょっと真剣に考えてみよう。というのが今回のコンセプトになった。

反省点: 
 今回、撮影の時間、スケジュールが合わず、勇仁=俺の分身、ということを暗示させるシーン、『俺』が友達に不信感を感じてしまうシーンが充分に撮りきれなかった。そのため、勇仁と主人公の関係が不透明だったり、ストーリーの起承転結のうち承の部分がどうも弱くなってしまったりした。また、案の定、金森君の曲も間に合わなかった。しっかりとスケジュールを立てること、それをメンバーにきちんと守らせることが課題になった。それから、アフレコの音も、今回もっと気を使わなければならなかったと思う。さまざまなすったもんだがあった末に、まあ何とか一つの作品になったことにまずほっとした。作品の出来も、まずまずではないかと思う。今回、伝えたいコンセプトというのが明確にあったため、メッセージ性というのを意識できたことは良かったと思う。今回の経験は、そういった意味では『映像によって表現する』ということを追求できたのではないかと思う。