学生映画オンエア 千葉テレビできょう
東京情報大のゼミ制作
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映画を自主制作した東京情報大の学生と伊藤講師
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東京情報大(千葉市若葉区、松田藤四郎学長)の伊藤敏朗講師の映像メディアゼミで学ぶ学生が自主制作した映画「さよならサクラFM」が二十七日午後三時から、千葉テレビ放送で放映される。閉局するローカルFM局を舞台にスタッフが繰り広げる青春コメディーで、五十八分の力作。地上波テレビで学生映画が放映されるのは珍しく、学生たちは「多くの人に見てほしい」とオンエアを待ち望んでいる。
制作が本格的に始まったのは、大学二年の春休み。監督を務めた増田有記さん(23)を中心にゼミ生十六人でアイデアを出し合って脚本をまとめた。出演者やカメラマン、照明、音声など一人が何役もこなし、エキストラとして友人にも出演を依頼した。
撮影は三年生の四月下旬からスタートし、JR千葉駅周辺や時には東京都世田谷区の東京農大のキャンパスにも撮影に出かけた。撮影は約三か月間だったが、週末や放課後の空き時間を利用し、三日に一日は撮影に費やした。
苦労も多かった。出演者も全くの素人のため、「役者がどう演じていいのか分からない時にうまく伝えきれない」と監督の増田さん自身も苦悩した。
ただ、映画で主演を務めた間瀬夢子さん(21)が「演技が下手でもみんながいたから、普段の自分が出せた」と振り返るように、メンバーの団結と熱意が完成への原動力となった。
映画は、長野県上田市で先月開かれた「うえだ城下町映画祭・自主制作映画コンテスト部門」で最高賞の大賞を獲得。審査委員からも「若者の青春物語だがほろっと泣かせるところもある」「カメラアングルもしっかり撮影できている」と好評を得た。千葉テレビ放送も作品の完成度の高さを認めて、今回の放映につながった。
来年四月に番組制作会社に就職予定の増田さんは「映像は一人では出来ない。これからもチームワークの大切さを肝に銘じていきたい」と手応えを感じた様子。伊藤講師も「ゼミの雰囲気が投影された作品に仕上がった。一人一人の積み重ねで映画を完成させた経験は、ビジネスの世界で役立つ」と卒業間近の学生たちにエールを送っている。